本当は脱ぎたくない友達が「着エロDVDに出演する」と言ったら止める?

日本にAV女優と呼ばれる職業の人が何人いるのかはわからない(たしか安田理央さんの著書『AV女優、のち』(角川新書)にざっと統計が載っていたはずなのですが、本棚に見つからない……)のですが、そこに属する数人は知人や友人です。いまはAVを引退しすっかり過去をなかったことにしていたり、逆にAVのキャリアを今の職業に生かしてキラキラと逞しく生きている知り合いもいる。あっ、そういえば20代の頃に絡みなしのマニア向けフェチビデオに2本ほど出演したことがあるので、わたしも“元AV女優”としてカウントされるのか。

話は変わりますが、これまで生きてきた中で、一度だけ、アダルトとはまったく関係のない友人から、ほぼヌードのイメージ映像……いわゆる着エロDVDに出演することになったと報告を受けたことがありました。

例えば、どうしてもお金が欲しい、世の中に出て名前を売りたい、はたまたエロい姿を撮られるのが好きというならば、それは仕方ない。でも、「え、ホントに出ちゃっていいの?」と心配になったのは、彼女はタレントを目指していたからです。もちろん着エロDVDをきっかけにしてテレビや映画に出られることもあるだろうけど、なかなか難しいのではないか。むしろ敷かれているのはAV女優になるルートではないか。

しかし、彼女いわく「わたしをプロデュースしたいって言ってくれている人がいて、その人の話によるとDVDに出るのは一枚だけでいいし、着エロっていってもアートっぽい雰囲気のものになるっていうし、売れ行き次第では、次には写真集も出してくれるって話だし、テレビのレギュラーにも推してくれるという話になってる」というのです。

彼女がその勝負に掛けると腹を括ったなら、口を出して水を差すこともない。だってわたしだって、好奇心の赴くままにSMクラブで働いてみたり、マニアAVに出てみたり、ハプニングバーを訪れたりして、さらには、その体験を記事にして糊口をしのいでいるのです。何を言える立場でしょう。