彼氏に相談したところ…

しかし、彼女と別れ、家に帰ってからもなんとなくもやもやが晴れませんでした。やっぱりどう考えてもリスクのほうが大きいのでは。迷い悩んだ挙句、当時付き合っていた彼氏に相談したところあっさりと言われました。

「それ、止めるところだろ」

いやいや、でも待って。だってわたしだってエロ仕事してるのに、どの口で言えと……とゴニョゴニョと言い訳するわたしに向かって恋人は続けていいました。

「だってあなたとあの子は、人としてそもそも違うし、あなただって彼女はそのビデオには出ないほうがいいって思ってんじゃないか?」

人としてそもそも違うって、なんだかド差別発言をされたようですが、後半は確かにその通り。だってわたしと彼女とでは、脱ぐ理由が違うのです。私が脱ぐのは、手段ではなく目的に直結しているけれども、彼女は脱ぐことを手段にして目的を叶えようとしている。そして、正直なところ、脱いだところで目的が達成できる可能性はクソ低い……率直に本音をいえば、そんなオイシイからこそアヤシイ話、素直に信じないでくれよ。

というわけで、再び件の女友達を呼び出して「着エロのイメージビデオからテレビタレントに転向できる人なんて一握りだし、そもそもたった一枚、着エロDVDを出したからといって、次は写真集やらテレビやらって、一応うっすらと業界を知ってる立場からすると、滅多にないことだと思うから、わたしは辞めたほうがいいと思うよ」と自分の気持ちを伝えてみたのですが、彼女は「でも、プロデュースしたいって言ってくれている人は、けっこう力のある人だし……」と結局、出演に至ったのでした。

その後、もちろん彼女は写真集を出すことも、テレビのレギュラーを得ることもなかったけれど、そのDVD自体もまったく話題にならなかったのが功を奏してか、その後、特に身バレすることもなく、何もなかったことにして、今は普通に暮らしているようでよかった。だって、わたしの願いは、ただひとつ。たとえ脱いだことを後悔しても、エロのことは嫌いにはならないでください、ということで。

Text/大泉りか