「久々にビッチ活動してみるか!」韓国でオジサンのお裾分けを狙う

大泉りかコラム

先日、今年に入って3回目の韓国旅行に行ってきました。春に女友達とともに福岡経由のフェリーで釜山を訪れ、夏に実母と息子とソウルを旅行し、そして今回は、夫と息子とともに再びソウルに家族旅行。なぜ今年、こんなにも韓国づいてしまったかは、息子が2歳になったことが関係しています。

航空会社にもよるのですが、国際線のエアラインでは、2歳から小児料金として、大人の運賃の75%程度、もしくは同額かかるのです。すでに今年の正月に2歳の誕生日を迎えてしまった息子を海外に連れて行く場合、恐ろしいことにエアチケット代のほぼ一人前を見積もらなくてはならない(ちなみに国内線は3歳までは幼児料金でほぼ無料)。

そのため、今年の春先に釜山に行ったときは、福岡経由のフェリーで入るという荒業を使いました。7月のソウルは日韓関係の悪化により、ツアー代金が信じられないほど安くなっていたのを利用し、そして11月。毎秋の恒例になっている家族旅行の行先をリサーチした結果、羽田から飛べて近隣諸国の中ではもっともチケット代が安いのがソウルだったことから、再々度の韓国となったのです。

慣れた韓国では、これまでと違う場所へ

しかし、今年だけでも3回は行っている韓国。一番最初に訪れた22年前(!!)から通算で20回ほどは訪れている上に、夫とも5、6回は旅行で来ているので、少々マンネリしているところもあります。おまけに日本がデフレゆえ、明洞などの観光地で食事をすると「高い!」と驚くことも度々。この状況を打破するにはどうしたものか……。

ということで、今回我々が取ったのは、「ホテルをこれまで泊まったことのない場所にしてみる」という手段です。ソウル中心地から近いわりに、下町情緒もあるという鍾路3街という駅近くのホテルを予約したのですが、これが大正解でした。
オジサンに人気の街ということで、どこを歩いてもオジサンだらけで、若干の辛気臭さはあるものの、しかしオジサンの愛する、リーズナブルな上に美味しい飲み屋がそこらにたくさんあり、オジサンたちの若い頃の作品を上映しているグライドハウス型の映画館を発見したりもして、映画館好きの夫は大興奮。そもそもわたしも夫も40代なので、韓流推しのキラキラとした街よりもよっぽどこっちが落ち着く。

観光も、あえて行ったことがないところに行ってみようと、ソウル隣の光明市にあるローカルの市場まで足を伸ばしたところ、これも当たり。テイクアウト専門の屋台に並んでいるのは観たことのない食べ物ばかりで巷で大流行中のコリアンドックを究極的にシンプルにした「ぶった切ったチーズに串を刺して焼いたもの」なんかが売られていて、韓流ブーム以前のワイルドな韓国を存分に楽しむことができました。その市場でランチ飲みのハシゴをし、二軒目に入った店でのことです。