「夫は犬だから褒めて育てろ」それって家庭内キャバ嬢じゃない?

大泉りかコラム

子どもは親を選んで生まれてくる?

前回に引き続き、とある子育て&夫婦関係改善セミナーに取材で潜入したときの話ですが、その前に、セミナーのテーマである“胎内記憶”について、ご説明したいと思います。

“胎内記憶”とは、子どもが胎内にいた時分の記憶のこと。お腹の中にいた記憶が残っているなんて神秘的な話ですし、我が子に「生まれる前はどこにいたの?」と尋ねて「気持ちがいい場所にいて、ママの声を聞いていたよ」なんて台詞が返ってきた日には、妊娠中、コーヒーもセックスも極力控えて、不自由な生活を我慢していた甲斐があるってものです。

が、これがただのロマンティックエピソードで済まされないのは、精子や卵子だった頃の記憶どころか、さらに以前に遡って、「空から見て、ママのところがいいって、選んで生まれてきた」という記憶を語る子どももいると紹介されていること。

っていうと、またまた「うちの子は、わたしを選んで生まれてきてくれた!」ってウットリしてしまいそうにもなりますが、世の中には、親から虐待を受けている子どもがたくさんいる
なのに「子どもが選んで生まれてくる」ってことにしていいわけがないし、虐待親の元に生まれてきた子どもたちが「親を人間的に成長させるために、あえて選んできてくれた」とされるのは、大人に対して都合がよすぎる。もちろん、不妊で苦しんでる女性たちを追い詰めることにもなります。「なぜ、わたしは選ばれないのか」って。