ストロングに生きている女性・こやま淳子氏

さて、「人望がある女性」および「ストロングに生きている女性」ということをこのお題を与えられてからずっと考え続けてきたのだが、結論として出てきたのがコピーライターのこやま淳子氏である。

コピーライターのこやま淳子氏

こやま氏はリーダーシップを発揮して部下を高みに導く! 的なタイプではないのだが、自らの事務所を経営し、常に時代の最先端ともいえる仕事を獲得してきている。現在イケイケの広告制作会社「GO」にも請われて参画している。ボディーソープ「HADAKARA」のネーミングやコピー、女性の人権を考える「プラン・ジャパン」の仕事なども含め、さまざまな仕事をしている。

ちなみにこの写真は、一緒にベトナム旅行へ行った時に夜市で買った「かぶる傘」だ。東京五輪の暑さ対策で小池知事が提案した「かぶる傘」が話題になっていたから買ったのだという。

厳密に「リーダー」とは呼べないものの、「ロールモデル」としては多分この人は仕事の面でもそうだし、生き方の面にしても本当に幸せそうにしている様を私は感じるのだ。仮にこやまさんがどこかの会社の社長に今後就任してよ! と声がかかっても案外うまくやっていくのでは、と思う。

今回、「リーダーについてAM編集部から書くように言われたので淳子さんのこと勝手に書くよ」と電話で伝えたところ「えっ? 私でいいの? でも、どう書くのか楽しみにしてるね」と呑気に言った。「アンタ何勝手なこと言ってるの! 原稿確認させなさい!」などと言うことはなく、「まぁ、中川さんが私を悪く書くわけないからいいかな」と鷹揚に構えているのだろう。

女性にとって「ロールモデル」になるような人はこの「余裕」こそ大事なのではないか。いちいち「男には負けない」と鼻息荒くして男に敵愾心を持つのでもなく、「たまたま仕事くれた人が男性だった。これで私の活躍の場が増えるし、お金ももらえるしね♪ おいしいお寿司も食べに行けるからね」的に考えつつも、前述の通り「プラン・ジャパン」の仕事では完全に世界の女性の人権を考えたようなコピーを繰り出していく。

まだまだ男性社会ともいえる広告業界で活躍するこやまさんだが、セクハラ的な発言をする男がいた場合は「それはダメですよ」とビシッと言い放つし、自身が生み出すコピーにしても、全方位から共感されるものを考える。フェミニストの本来のスタンスである「女性と男性を同じ扱いにする」を理解しつつも、残念ながら男がさまざまな実権を握る場所で男と渡り合い、仕事を取り、女性の権利を高めるべく動いている

私にこうして書かれたことを受け、彼女が「男に媚びている」的な捉え方をする人もいるかもしれないが、彼女が男に媚びた姿など一度も見たことないし、私は広告業界の先輩である彼女を敬っているし尊敬している。「私はコピーの専門家。中川さんは編集の専門家」として、互いに敬意を持っていると思う。

こうした「男だから」「女だから」という切り分けはしないまでも「女だから分かることがある」ということから女性向け商品・サービス・組織のコピーを書くのに長けた人とも見られている。