【宮崎駿が泣いた理由】『風立ちぬ』は今までにない正真正銘の“恋愛映画”

 “夢を追いかけ、愛に生きる。”
こんなこと、今まで映画の中で描き尽くされているはず。なのに、今までに観たことがない。
一つの夢と二つの愛が向かい合うように、風の中で出会う二人。
男は空に夢を見て、女は彼を想い続ける。風がなければ飛べない紙ひこうきのように男女は支えあい、寄り添う。
男が目指した美しい飛行機は、やがて戦闘機になる。一人の夢が一組の男女と、多くの人の運命を変えていく。

風立ちぬ 宮崎駿 庵野秀明 瀧本美織 西島秀俊 西村雅彦 大竹しのぶ 野村萬斎 スティーブン・アルパート 東宝
©2013 二馬力・GNDHDDTK

 夢を追いかけ、愛に生きる? そんなこと出来っこない。
自分一人の夢を追うことで、愛すべき人への愛情は薄れてしまうのではないか?
その答えがすべて叩き込まれている。
老人による説教くさい反戦映画でも、今までジブリが多く描いてきたファンタジーでもない。
これは、紛れもない恋愛映画なのです。


 宮崎駿が5年ぶりに監督を手がけたスタジオジブリ最新作は、“零戦”設計者・堀越二郎と文学者・堀辰雄を織り交ぜた主人公の生き様を描く。
声の出演は、主人公の堀越二郎に『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズの監督として知られる庵野秀明。その他、瀧本美織、西島秀俊、西村雅彦、大竹しのぶ、野村萬斎といった豪華な面々が、世界的巨匠の新作の登場人物に命を吹き込みます。

 宮崎監督は試写を観て、初めて自分の映画で泣いてしまったという。
監督と長年タッグを組んでいる鈴木敏夫プロデューサーは、「宮崎駿の遺言」と言い表す。
なぜ泣いたのか。どこが遺言なのか。その真意とは、一体何なのでしょうか?