許された罪と、許されざる恋とは『桜並木の満開の下に』

桜並木の満開の下に 舩橋淳 臼田あさ美 三浦貴大 高橋洋 東京テアトル オフィス北野 2012 『桜並木の満開の下に』製作委員会

 愛してはいけない人を愛してしまった――。あなたにはそんな経験はありますか? 
東日本大震災後の茨城県日立市を舞台に、最愛の夫を亡くした妻の揺れ動く感情を繊細に描いた作品です。
主人公の妻を『東京プレイボーイクラブ』の臼田あさ美、彼女に許しを乞い続ける工員を『あなたへ』の三浦貴大が演じます。ベルリン国際映画祭で上映され、原発事故後の避難する人々を映した『フタバから遠く離れて』の舩橋淳監督の演出により、妻の途方に暮れる愛の行方を見事に切り取ります。

 震災後、プレス工場で夫・研次(高橋洋)と幸せな日々を送っていた妻・栞(臼田あさ美)だが、不慮の事故に巻き込まれ研次を亡くしてしまう。その事故を起こした新人の工(三浦貴大)を恨むが、必死にひたむきに許しを乞い続ける彼の姿勢に心が揺らぎ、いつしか互いに意識し合うようになっていく。
やがて、なぜか工場を辞めようとする工。その思いがけない理由を聞いた栞は……。

 愛する人の命を奪われた栞は、どのようにして工を許し始めたのでしょうか。行き場のない憎しみが愛に変わる瞬間を、確認せずにはいられません。
許されざるこの愛の行方、そして2人の行く末とは一体……。
罪と恋の狭間で揺れる2人の男女の姿に、胸が締めつけられるほどの哀しみと愛しい気持ちが溢れてくるほずです。

桜並木の満開の下に 舩橋淳 臼田あさ美 三浦貴大 高橋洋 東京テアトル オフィス北野 2012 『桜並木の満開の下に』製作委員会

4月13日(土) テアトル新宿ほか全国順次公開

監督・脚本・編集:舩橋淳
キャスト:臼田あさ美、三浦貴大、高橋洋
配給:東京テアトル/オフィス北野
2012年/日本映画/119分
URL:映画『桜並木の満開の下に』公式サイト

Text/Michihiro Takeuchi