男女の間に友情は成立するのか─『ワン・デイ 23年のラブストーリー』

原作は2009年に出版された小説『One Day』。ロンドン、そしてパリを舞台に、ある男女の23年間に渡る愛の軌跡を追った物語です。
イギリス、イタリアをはじめ各国でベストセラーランキング1位を記録しました。
主人公を演じるのは2006年の『プラダを着た悪魔』で一躍全世界の女性の憧れとなったアン・ハサウェイ。『ダークナイト・ライジング』など話題作の公開も控えるアカデミー賞候補女優が友情と恋心に揺れ動く繊細な女性の感情を見事に表現しています。
そして、監督は第82回アカデミー賞3部門にノミネートされた『17歳の肖像』を手掛けた女性監督のロネ・シェルフィグ。時代とともに移り変わる音楽とファッション、歳を重ねるごとにゴージャスに変身するアン・ハサウェイを女性ならではの柔らかな視点で映し出します。髪型やメイク、衣装なども注目です。

真面目でしっかり者のエマ(アン・ハサウェイ)と、自由奔放で恋多き男デクスター(ジム・スタージェス) 。ふとしたことで出会った2人はお互いに魅かれ合いながらも、恋人ではなく友達の関係を選ぶ。
エマは心の奥にデクスターへの想いを秘めて、親友として毎年“7月15日”を過ごしていく。
一緒に旅行したり、恋の悩みを相談したり、大喧嘩をしたり。それぞれの人生を歩み、すれ違いを繰り返しながらもデクスターを想い続けるエマ。
そんなある年の“7月15日”、エマはデクスターから違う相手との結婚を告げられる。
2人の関係性に大きな変化が訪れたとき、それぞれが選択する道は…。そして“運命の7月15日”を迎える。

「男女の間に友情は成立するのか」――誰もが一度は問う、恋愛における永遠の命題。相手の心に踏み込んで傷つきたくない、でも、心から寄り添える相手は欲しい。
等身大のリアルな女性像を演じるアン・ハサウェイにあなたはきっと自身を投影することでしょう。
そして、過去の自分を振り返ったり、また未来の自分を想像したりするはず。
そして、この作品のもう一つの大きなテーマ。それは「時間」。
エマとデクスターが過ごす1年に1日だけの”7月15日”。その、かけがえのない24時間が、人生とは一瞬一瞬の積み重ねで、過ごしてきた日々は2度と戻らないという現実を心に訴えてきます。
家族、友人、仲間…恋人だけでなく、普段何気なく共に過ごしている人との「時間」がもっと素敵で、大切なものだと気付かせてくれるはずです。
これからの人生で本当に大切だと思う人と観てはどうでしょうか。

6月23日(土)TOHOシネマズ 有楽座ほか全国ロードショー

監督:ロネ・シェルフィグ
キャスト:アン・ハサウェイ、ジム・スタージェス、パトリシア・クラークソン、ケン・ストット ロモーラ・ガライ、レイフ・スポール
原題:0NE DAY/2012年/アメリカ映画/140分
配給:アスミック・エース
URL:https://oneday.asmik-ace.co.jp/

Text/AM編集部