自分で自分をハッピーにするための行動を

恋愛に限ったことではありませんが、あなたのように自ら行動することが苦手な人はたくさんいると思います。
これはその人自身の性格もありますし、足が速い/遅い、整理整頓が上手/苦手などと一緒で、誰だって何事にも得意/不得意はありますからね。

行動できない人からしてみると、行動できる人のことをどうしたって羨ましく感じるものでしょう。
でも、そうやって行動できる人たちが常に何も恐れていないのか、最初からなんなくやれたのかと問われたら、決してそうではないはずです。
最初は恐怖を伴ったでしょうし、失敗してつらさ感じる経験もしているでしょう。そして、毎回必ず勇気を出しています。
だから、自分は行動できないと決めつけて、自分が幸せになるための可能性を潰してしまうのはもったいですよ。 たとえ上手にできなかったとしても、最初の一歩を踏み出すことは、必ずあなたにとって価値があるはずです。

さらにあなたは、今後自分がした行動によって「認めてくれる人が減るのがこわい」とも仰っていますよね。
きっと、その対象は同僚のことを指しているのでしょう。現時点では同僚からは好意を寄せられているわけですしね。
そこで、ご自身で別の視点からも考えてみてほしいのです。
厳しい言い方になりますが、あなたの「今は寂しいから同僚に心の隙間を埋めてもらってる。愛されているのがわかるのって安心するし、でも元彼とうまくいったらそっちにいく。同僚はあくまでもその間のつなぎに過ぎない。でも元彼と復活する可能性は低いし、今の安心する状況を失いたくないから……」なんてことを考えながらの行動を認めてくれる人たちがいるでしょうか?
逆に、認めてくれる人たちは減る一方だと、わたしは思います。

もしかしたら、同僚は「それでもいい」「振り向いてくれるまでずっと待ち続ける」と言っているのかもしれません。なんだったら「おれが元彼を忘れさせてやる!」くらいまで思っているのかもしれません。

そりゃあ、同僚はあなたのことが好きなんですし、好きな女性とセックスしたいと思うのはごく当たり前の感情でしょう。
そのため、現状に落ち着いているのだと推察しますが、だからといって同僚がいつまでも待っていてくれるという保証はありませんし、あなたの中に潜んでいる「あわよくば……」という感情に気づいたら離れてしまう可能性があることを、忘れてはいけませんよ。

確実に手に入るものばかりを求めてしまうのは、仕方のないことだと思います。
叶う見込みのない願望を持ち続けて生きるのはしんどいですし、いくら人生には確証がないといえど、できることなら博打なんて打たずに過ごしたいでしょう。
安心感や確実に得られそうなものを手に入れるために、ときには自分以外の誰かや、またその人の感情を無碍にしてしまうことだってあるかもしれません。
正直、わたしはあまり好きなやり方ではないのですが、人と関わっていく上で結果的にそうなってしまう可能性はゼロではないと思います。
でも、それをわかっていながらやるのは、あまりにも残酷すぎます。

わたしは、この連載の中で、相談者の方には「自分で自分をハッピーにするための行動をしてほしい」と常に思いながら、言葉を尽くして答えています。
もちろん、あなたに対しても、です。

同僚との関係をきっちり清算して元彼にぶつかっていく選択をするのも、元彼を忘れるために同僚と付き合う選択をするのも、このままズルズルと流されるままでいるのも、それはあなたが自由に決めることです。
しかし、周りの人たちに与えてもらうのが当たり前だと思うこと、いつまでも勇気を出さずに常に受け身の姿勢でい続けること、確証がありそうなことばかりを求めていることは、自分で自分をハッピーにするための行動には繋がらないのではないでしょうか。
あなたが、自分で自分をハッピーにするための第一歩を踏み出すことを、切に願っております。

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この連載では引き続き読者の皆さまからの恋愛相談を募集します。
最後の一歩が踏み出せない方の背中をドーン!と押すため、今にも崖から落ちそうになっている人を腕一本で引き上げるため、誰かに厳しく叱られたい方の左頬をフルスイングで打つため、わたくしポジティブゴリラは日々ゴリラらしく腕力を鍛えてお待ちしております。

Text/ものすごい愛
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