チャラ男が探し求める真実の愛―『それでも恋するバルセロナ』

最後にウディ・アレン監督の『それでも恋するバルセロナ』という映画を紹介したいと思います。

恋愛に対する考え方以外はバッチリと気の合うふたりの女性・ヴィッキーとクリスティーナはバルセロナを訪れます。そこで画家の男性・フアンと知り合うのですが、彼は開口一番彼女たちに「週末を一緒に過ごそう、そしてセックスもしよう」と持ちかけます。恋愛に安定を求めていて、既に婚約者がいるヴィッキーは怒るのですが、危険な恋愛の好きなクリスティーナが乗り気になり、結局三人はそのまま飛行機に乗りオビエドへと旅立ちます。最初こそ反発していたヴィッキーでしたが、時間を共にするにつれ段々と彼に惹かれていき、本来の自分ならありえない恋に戸惑う…というストーリーです。

一見軽薄でただの女好きに見えるフアンですが、彼は愛についての自分の考えを持っていて、そしてさらなる愛を求めています。わたしはこの映画を見て、チャラいと言われている人は、実は他の誰よりも真実の愛を模索している人で、いざ探し当てたら深い愛を注げる人である場合があるのだと感じました。愛に対する姿勢が違うというだけで、「チャラい=薄情」ということでは必ずしもないのだと気付いたのです。

また、女性の理性が情熱に勝るという描写もあるので、今の恋をいずれ諦めることにしたとしても、ご自身と重ね合わせながら鑑賞できるのではないかと思います。

質問者様の今回の恋愛が、恋愛や異性に対する考え方の視野を広げるきっかけになり、そして願わくば成就するよう願っています。

(つづく)

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TEXT/はくる

初出:2016.06.17