女人禁制/男子禁制だからこそ生まれてくるもの

 学生時代は共学、社会に出てからも女性の多い職場を好んで選んで来た、フェミニストの私ですが、
女性を排除することで育める文化があることも知っています。
私がそれを初めて知ったのは、ゲイバーです。
ゲイバーはもともと時代的に公にし難かったゲイ男性が、自分たちが寛げる場所を造ろうということでできた閉鎖的空間です。

 男同士、ゲイ同士という排他的な空間だからこそ、個性ある文化が育ち、
過剰な女性性を演じるオネエや、やり過ぎる女装の形であるドラァグクイーン、
男らしさを過剰に突き詰めたハードゲイや六尺(襷)、野郎系文化という遊びが生まれたのです。

 女性にもそういう女性だけが集まることによって生まれる独特の文化ってあるように思います。
男よりドロドロしてそうですが、それも込みで楽しいところもあるんじゃないですかね。
ママ友コミュニティや女子会も面倒臭さがある反面、結果楽しいからそういうグループができるのではないかと思います。

 時代の大きな流れは男女平等、男女共同で、それは多分正しいとは思うのですが、
時間をかけてできた違いもあるから急には変われません。
公のものではないプライベートな空間なら、性急過ぎる流れからの緊急避難所として存在していて良いと思うのです。

 いつだって正しさだけで生きていけないのが人間です。 あなたはどう思いますか?

Text/肉乃小路ニクヨ

次回は <タバコを吸うことは本当にリスク? 「正しい」ばかりがまかり通る世の中で>です。
喫煙者への風当たりが強くなってきた昨今。カフェの分煙すら許されず、全面禁煙のみの店舗が増えたり、屋外にある喫煙所が屋根のない雨ざらしだったり。たばこ税も値上がりする一方で、少々やりすぎなほどのヘイトすら感じられますが、肉乃小路ニクヨさんは正しさだけがすべてではないといいます。