「女はオナホじゃない!」って不倫相手の女性に追い打ちかけてない?

大泉りかコラム

最近、「それって、どうなのよ」と思ったのは、少し前に世間を賑わせた某芸人の『テイクアウト不倫』に対して、ツイッター上で目にした見知らぬ女性たちのツイートです。「女は肉便器じゃない!」「女はオナホじゃない!」「女を射精の道具にしてる!」と息巻いていたものの、それ、「女を人間扱いしてない!」と渡部を糾弾しているつもりが、実際は当の女性に追い打ちをかけていないか……ということで思ったのは、不倫で傷ついた女性にかける言葉の難しさです。例えば、既婚男性と付き合っていた女友達が、その相手と別れた場合に、なんといって慰め、元気づければよいのか。

不倫ばかりではなく、「あの男とこれ以上付き合い続けても、あまりいいことはないのでは……」という相手と、ようやく別れることになった女友達に、これまでどういった言葉を投げてきたのかを思い出してみると、「あなたのためにも、別れてよかった」「この先のことを考えても、別れてよかった」「そう考えても、別れてよかった」とまずは 『別れた』という現状をとにかく肯定する。しかし、その先は、3つのパターンに分かれると思います。

1. 女友達がすでに諦めている場合

当の女友達が、すでに別れた既婚男性に対して、諦めの気持ちを持っている場合は、「優しい人だったんだよね。でも、もっと魅力的な人が現れるよ!」と相手の男性を褒めつつも、未来への展開を促す。付き合っていた男性のことを否定することは、彼女のプライドを傷つけることになってしまうし、かといって、せっかく訪れた決別のチャンス、「やっぱり彼しか……」とならないように、とにかく振り切って前へ前へと気持ちを切り替える手伝いを試みる。

っていうのも、不倫する男性って、基本的に楽観的な考えの持ち主ですよね。だって、悲観的な考えの持ち主は、最悪な結末になることを気にして不倫なんてしない。ゆえに女側は血の滲む決意で別れを告げたことなど知らず、「ほとぼりも冷めただろうし、また会えないかな(要約:もう一回セックスさせてくれないか)」と、めちゃくちゃ気軽に連絡してきたりする。
そこで揺らいでしまったら、元の木阿弥。彼の妻のSNSを観てもんもんする日々のリ・スタート。しかも禁煙チャレンジと同じで、一度別れに失敗すると、二度目の挑戦で成功させるのは、さらなる至難の業となる。とにもかくにも「ごめん、復活しちゃった……」をできる範囲で防ぐのが、女友達の務めであると思うのです。