セックスは冒険だ!あなたの「過激なプレイ」は顔射から?3Pから?

大泉りかコラム

「アナル舐め」と「アナルセックス」の間にある壁

かつて実話誌のセックス特集を、レギュラーで書いていたことがあります。毎号、ひとつのテーマ、例えば『クンニ』や『フェラチオ』、『挿入』といった行為を取り上げ、巷の女性たちに取材をしてその本音を紹介するシリーズ企画だったのですが、あるとき、『こんなこと、しちゃいました!』というテーマで取材することになりました。

性行為の中では、少々“過激”とされているプレイをいくつかピックアップし、それについて女性たちにアンケート取材をするという段取りで、まずは担当編集者とともに、具体的にどういったプレイを取り上げるかを相談したのですが、これがなかなか難しい。というのも、例えばわたしにとっては「顔射」や「アナル舐め」くらいはデフォルトだし、一度や二度、「アナルセックス」や「3P」をした経験のある女性は、そこそこいるのではないかと思う。が、担当編集者は「顔射やアナル舐めはいいけれど、アナルセックスや3Pまでいくと、ちょっとマニアすぎて、読者に引かれてしまうと思うのでは」というのです。

確かに、男性に性経験を問われ、アナルセックスやら、3Pやらの経験があることを告げると、「すげえ!」と前のめりになる(と同時に、そんなスケベな女ならワンチャンあると口説いてくる)人と、「えー、やっぱりそういう感じなんだ」と眉をしかめる人(何を期待していたんだ)、そして「俺はそんなことしたことないのに」とひがむ人(これはわたしと肉体関係にあることが多い)の3パターンがよくある反応です。

これが顔射やアナル舐めになると、前のめり率がぐっと高まると同時に「ああ、それは俺も好き」と経験談と語る人もぐっと増える。そういうことから、あくまでも男性読者を想定したエンタメ記事である以上、「顔射」や「アナル舐め」のラインで止めておくのがよいと判断して、その取材を終えたのですが、世間一般に“過激”とされないラインは、わりと保守的なのだな、という感想を抱いたのは、わたし自身が性的好奇心に突き動かされるままに、いわゆる“過激”な方向で性を模索してきたからに間違いありません。その結果、羞恥心やはじらいといったものを失くした気がするけれど、それはそれ、してほしいこともしたいことも言える自分を手に入れたのだから、よしとしています。