セックスレス予防のルール

新しい恋人と住み始めるにあたって1つ、提案を受けました。それはセックスについてです。

「付き合い始めはセックスをしたくてしたくて、ついしちゃうけど、我慢して1週間に1回にしよう。そうすればいつまでも飽きないで続くでしょ」

付き合い始めの盛り上がり期です。率直に言ってわたしは、毎日でもヤリたくてヤリたくて仕方ありませんでした。けれど、永遠に毎日ヤリ続けるのは無理だということもわかっていました。これまで付き合ったどの男性とも、最初は会う度にセックスをしていたけれど、付き合いが長くなるにつれ、回数は確実に減っていったからです。

すぐに2回のデートに1度になり、3回に1度になり、5回に1度になり、10回に1度になり、そして、やがて滅多にヤラなくなるときがくる……最初にマックスでスタートすると、後は減るっていくしかない。するとどちらかが「セックスが足りない」と不満を抱くこともあり得る。ならば最初から、確実に守れる回数を決めておこうというのです。具体的にいうと、週に1回。

なにも考えずに没頭するのが恋愛の醍醐味です。けれどもいろいろ痛い目にあって、ハイテンションな恍惚に浸る恋愛よりも、もう少しフレンドリーで愛情が継続する関係のほうが、自分には必要だとも思いました。ならばセックスも、やみくもに情動に任せてあっという間に消費し尽くしてしまうのではなく、継続させることを第一に考えよう――というわけで、そのルールを採用することになったのでした。

同じ相手と一緒に暮らして8年半、その間に結婚したり出産したりもしましたが、いまだに男女の関係は続いています。半数以上が配偶者や恋人とセックスレスだと言われているこの時代。セックスレスの解決は難しく、むしろ「ならないこと」を心掛けること、予防こそがキモとされていますが、付き合い始めに、セックスを継続させるためのルールを作っておいたのはとてもいい手であったと、今になってしみじみと思っています。

――次週へ続く

Text/大泉りか

次回は<恋人が何を言おうとやりたいことをできていますか?レズナンパバトルに出た話>です。
彼氏がいるのに、「レズナンキャノンボール」に出演してもいいのか……?「自分のしたいこと」と「恋人の気持ち」を天秤にかけるのはもうやめた。自分の意志を貫き通すことにしたその先で、大泉りかさんが気付いたこととは。