わたしは婚約破棄したそばから別の男と同棲してよかったのか?

恋人と別れてどこに住む?

髭をたくわえた男性がギターを弾いている姿を床に座って聴いている女性の画像 Toa Heftiba

6年間付き合った恋人と別れた32歳の秋、わたしは悩んでいました。恋人と一緒に住んでいた湘南の家を引き払った後の、身の振り方についてです。

湘南の街は空が広く、海まで歩いて行けて、夏が賑やかで冬でもポカポカと暖かく、親密な人と寄り添って暮らすにはとてもいい場所。しかし、近隣に友人もおらず1人(とチワワ1匹)で暮らすにはさみしいし、なにより都心に出るまでに電車で1時間半&1,000円以上かかるのがネックでした。だからなるべく早く引き払い、都内に引っ越したい。まず問題は、どの街に住むかということでした。

当時わたしは、ライターをしつつ、ライトノベルを書いて生計を立てていました。一応それで食えてはいましたが、来年も同じだけ稼げるとは限りません。だからこそ、固定支出となる家賃は、出来るだけ抑えたい。けれどもそうすると、残された電化製品類が問題になります。5ドアの冷蔵庫、ドラム式洗濯機など、わたしの両親たちが張り切って揃えてくれた家電類はどれも大型で、とても一人暮らし用の家に納まるサイズではなかったのです。

かといって辺鄙な場所にはもう飽き飽きでしたし、さらにセフレ改め、新しい恋人となった男性の生活圏から、ある程度近い場所に住みたいとも思っていました。具体的にいうと、新しい恋人は東中野でバーをやっていたので、そこから自転車で帰れる場所で、大型家電が入るような広さがあり、さらに家賃お安め……となると思い浮かんだのは中野の南台辺りです。

西東京の土地勘に詳しくない人には、中野区の南台と言われてもよくわからないと思いますが、中野区にありながら、中央線・丸の内線・京王線のちょうど中間にある陸の孤島スポットで、この辺りならば、中野区内にしては比較的お家賃も抑えられるのではないか。

というようなことを、新しい恋人に言うと、あっけなくこう返ってきました。

「えっ。近い将来、一緒に住むってことを考えたらお金の無駄だから、このタイミングで一緒に住んじゃおうよ」