世界はヤリマンを受け止められる

 「Y-1(ヤリワン)グランプリ」にはわたしを含めて5人の女性が出場しました。第1部はセックスビンゴ。あらかじめ「3P」「レズ」「アナルセックス」「SM」「露出」「近親相姦」など書かれたビンゴカードとクジを用意し、引いたクジに書かれたプレイの経験があれば、ビンゴカードに穴を開けるとともに、1分以内でそのエピソードを話すというものです。

 第2部は会場から好みのタイプの男性をひとり指名し、その相手に向かって壇上で実際の口説きテクニックを披露するコーナー。そして第3部は「これまでセックスしたプチメジャーな男性」のイニシャルとその性癖を披露するというプログラムを組みました。

 いま思えば第3部は完全に人の道に反している気もしますが、なんせ会場には「出演者とヤったことのある男席」というものも用意していたくらいです(そしてマジでそこに座る資格のある男性が何人も遊びに来て、ドヤ顔でその席に座っていた)。とにかくそんな悪乗りに悪乗りを重ねたイベントを主催し、わたしは主催者にもかかわらず、優勝してしまったのです。

 勝因はぶっちゃけ、第3部で「大物食い」のエピソードを披露したからに他ならないと思うのですが、この時、優勝をたたえるべく会場の皆様からいただいた「ヤリマン!ヤリマン!ヤリマン!!ヤリマン!!!」というコールが人生3度目のヤリマン呼ばわりでした。

 けれども、この時ばかりは嬉しかった。いや、嘘。男性経験数たった100人にも満たないわたしが「ヤリマン」呼ばわりされることは、その時であっても複雑でしたが、それでも嫌ではありませんでした。なぜならその日のロフトプラスワンは満員札止め。昼帯としては、飲食の最高売り上げを記録したそうなのです。そう、我々は受け入れられたし、ヤリマンとしてのアティチュードを示すことで、多くの人を楽しませることが出来たのです。

 ヤリマンの形なんてどうあってもいいし、自分の好きなように生きて、それでヤリマンと言われてもなにも気にすることはない。世界はヤリマンを受け止められる!……紫原明子さん、素敵なコラムのタイトルを下品にいじってごめんなさい。

――次週へ続く

Text/大泉りか

次回は<わたしは婚約破棄したそばから別の男と同棲してよかったのか?>です。
6年間いっしょにいた男性と婚約破棄し、同棲を解消したところ、住む家が問題に。世間体を気にしてほとぼりが冷めるのを待つべきか、それとも……。そして定めた、セックスレス予防の対策法としてのルールとは。