つまらない日々から逃げて

翌日、帰りの電車では「このまま家に帰って、またつまらない時間を過ごすのか……」とずっと考えていました。旅行に行ったことで、改めて思い知ったのです。恋人と一緒に生きていくことは、このつまらない日々をくりかえすことだと。だからその日以降、わたしは以前にも増して、外に出掛けるようになりました。

数日後、セフレの家から、終電で帰ってきた日のことでした。駅につくと、恋人が駅で待ち構えていました。もうバスがないから迎えにきたというのです。そんなことは初めてで、あの旅行の前ならば、もしかして嬉しかったかもしれない。けれども「わたしが心配だから」ではなく「わたしの行動を見張るため」のように思えて、うんざりとした気持ちのほうが大きかった。

その頃の彼は、いつもあやうい様子でした。なにかのタイミングで突然、激昂して暴れ、火がついたように泣き喚き、そしてわたしをなじるのです。「なんでこんなふうになっちゃったんだよ」と。だからその日、「家に戻る前に海を見に行こう」と誘われた時も、メンヘられたくない一心で付き合うことにしました。