「母の呪いを解く呪文は？」毒親育ちのレズビアンが婚活で最高のパートナーに出会うまで②

機嫌を損ねてもいい

私が本気で諦められたのは、夫と出会った後なのよ。夫と結婚して「私には家族ができたから、もう元の家族はいらない」と思えたことで、期待を手放せた。

私もそうなっていくと思います。彼にも「こういう理由で親が苦手である」と話していて、彼も「親を大切にしろ」とか絶対言わなくて「親と合わないとか、親が嫌いなんていくらでもあることだよ」と言ってくれるので。

おお～いい彼だなあ～！

「親なんて年に1.2回会えば十分だから」って、だから安心して離れられるというか。親は私と彼とセットで会いたがるけど「僕の仕事の都合が合わないとか、僕のせいにして断ってくれていいよ」って。

おお～いい彼だなあ～！こればっかり(笑)

「僕をどんどん盾に使ったらいい」と言ってくれるので、呪いから身を守れそうな気がします。

私も夫によって救われたし、夫に育て直された部分がすごくある。

私もすでにすごくあります。私は人とケンカができないんですよ。母との関係性で「自分が黙って謝ればすむ」と学習してしまったので、友達や恋人とも一度もケンカしたことがなくて。
でも前に彼の私服がダサすぎて「何それ？！正気か？！！」と言ったらムッとされたんですよ、「言いすぎや」と(笑)

そら言いすぎや(笑)

その時に「拒絶されるんじゃないか」と怖くなって、謝りながらすごい泣けてきたんですよ。そしたら彼が「そんなことで嫌ったりしないし、今後も拒絶するとかないから大丈夫。もし僕が機嫌悪くなっても『スネてるわ～』ぐらいに余裕で構えててほしい。そうやってお互い、いい意味で気を使わないのが夫婦なんじゃないの」って。

彼はダライラマか何か？

私もガンジーかな？って(笑)

私服のダサいガンジーやな(笑)

彼が「あなたも怒っていいし、機嫌を損ねてもいいよ。そうやって対等な感情のやりとりをしよう」と言ってくれたので、そこで「我慢して謝る」という自分の常識が変わったと思います。

母の呪いを解く呪文になったんだね。
私も毒親育ちで見捨てられ不安があったし、さんざん男に振られて「言いたいことを言ったら嫌われる」って恐怖があったけど、夫と出会って「この人は大丈夫なんだ」と初めて安心した。ケンカしても仲直りできるのが、健全な関係なんだよね。

毒親育ちは「言いたいことを言ってもいい」と安心することで、救われると思うんですよ。

だから世の恋愛コラムの「面倒くさい女になるな」という言葉にムカつく。誰もなりたくてなってないやん。面倒くさくなった時に「離れていかない」と安心することで、面倒くさくなくなるわけやん。

そもそも面倒くさくない女って、ただの男にとって都合のいい女じゃないですか。結局、自分が支配できる弱そうな女を求めていて、あいつらロリコンのクソですよ。

ロリ顔の人が火を吹いてる(笑)

ミサンドリーなもので(笑)

男嫌いのIさんが、恋愛抜きで「人として」信頼し合えるパートナーを見つけた話は世の女子の参考になると思う。今日は貴重なお話をありがとうございました。

こちらこそ、毒親話ができてよかったです。「この人ならわかってくれる」という相手じゃないと話せないんで。

いつか読者の女の子を集めて、毒親女子会をしたいと思ってるのよ。　

ぜひ実現してください！それを楽しみに、私も母の呪いと闘っていこうと思います。

―ここにも母の呪いと闘う強敵（とも）が。次回は「死にそうな母を殺しそう」と悩む女子が登場します。

Text／アルテイシア

次回は＜「死にそうな母を殺しそう」虐待の記憶に苦しむ東大卒女子にカウンセリング①＞です。
日本に根強く残る「家族なら許し合うべき・支え合うべき」という考え方。けれど自分を一番に大切に考えて薄情だと責められる筋合いなんて誰にもないんです。母からの虐待のトラウマで、パートナーとの結婚に躊躇してしまうMさんに、自身も毒親との関係に苦しんだアルテイシアさんがカウンセリングします。