14年間、恋に悩んだけれど「恋が人生だ」で生きていきたい/大泉りか

昨年の8月末、高円寺阿波おどりの日のことでした。高円寺の阿波おどりといえば、大混雑かつ通行規制が敷かれ、ルートに面した居酒屋の席は早々に埋まってしまう。なので快適に楽しむのはなかなか一苦労なのですが、わたしはここ数年は、高円寺にある行きつけの美容室が、顧客や友人向けにガラス張りの二階フロアを解放してくださっているのにあやかって、飲食物を持ち込んで高みの見物を決め込むのが、ありがたくも恒例となっています。

そこに居合わせた同士、知らない間柄でありながらも、「このおつまみ食べますか?」「お子さん、こっちのほうが見やすいかもです」などとお互いに、暑苦しくない程度のコミュニケーションをとりながら譲り合って阿波おどり鑑賞を楽しむのが常なのですが、昨年、そこに居合わせた女性に「AMでお名前を出していただいて嬉しかったです」と言われたのです。

友人などを登場させることは時々あるけれど、目の前の女性に見覚えはない。誰……!?とクエスチョンを抱きながらお名前を聞いたところ、なんと元セクシー女優の泉まりんさんだった。たしかにお名前を出したことがあります。出産時に彼女に似ている助産婦さんに浣腸をされたというロクでもないエピソードで……。

AMを通して繋がった縁

「AMの記事を読んでます」と言われることはままあれど、「わたしの名前出してますよね」と指摘されたことは初めてだったので、さすがにちょっと驚いたものの、彼女とは後日一緒に飲みにいくことに。AMがなければなかったご縁です。

まりんちゃんだけでなく、Betsyちゃんとサムギョプサルを食べたり、紫原明子さんをホストクラブの初回にご案内したり、服部恵典さんにイーストプレスの『アダルトメディア年鑑』でインタビューさせていただいたり、ファーレンハイトさんや福田フクスケさんには赤ちゃんだった息子を抱っこしてもらったり、逆に姫乃たまちゃんの赤ちゃんのほっぺをプニプニさせていただいたり。編集長の金井さんと担当者の石島さんと飲んだことも度々ありました。初期担当だった鍬さんの学プロ時代のレスラーネームはいまだ、たまに思い出して笑ってしまう。二村ヒトシさんとの対談がきっかけで、イーストプレスから『もっとモテたいあなたに』とという本を出させていただくことになり、7刷までいきました。AMというメディアで繋がった方たちが人生のところどころに関わってくれ、人生に彩りを添え喜びを与えてくださったことには感謝しかありません。

AMと半走して書き残した14年間

さて、少し話は変わりますが、わたしがAMに初めて登場させていただいたのは2012年9月3日、『犬山紙子×大泉りか×少年アヤが語る、脱ブスへの道』という鼎談企画でした。いまは「恋に悩んだら、アム読む」となったAMのキャッチコピーが、まだ「恋が人生だ 誰かを好きでいる素晴らしさを」だった頃のことです。メールで出演のオファーをいただいたのですが、ギャランティの提示とともに「ヘアメイク代込み」と書かれていて、それまでメディアに文筆家として登場する際に、ヘアメイクが付いたことなど当然なかったので「IT資本、すげえな」と妙に感心したことを覚えています。

その後、せっかくご縁が出来たのだからと官能小説のレビュー連載を持ち掛けたところ、ありがたく採用していただき、さらに後にエッセイへとリニューアル。14年の長きに渡り、寄稿を続けさせていただき、今回の536回目を最後に連載終了となります。長い間、ありがとうございました。

『人妻は不倫の夢を見るか?』は、わたしの出版キャリアの中で一番の長期連載となりましたが、さすが14年という長き間にはいろんなことがありました。
わたくしごとで恐縮ですが、2012年は湘南で同棲していた束縛系の恋人と別れ、東京に戻ってきて3年目、東中野の家賃10万円ほどのボロアパートで次の恋人と一緒に暮らしながら、昼間は死ぬほど仕事をして夜は死ぬほど酒を飲むという、従来のわたしらしい自由な生活をすっかり取り戻したタイミングでした。その年の年末に結婚し、5年後に出産、さらにその6年後に離婚する過程を踏む中で、AMというメディアと伴走してリアルタイムの出来事を書き残すことが出来たのは、わたしにとってとても大切な財産になったと思います。

35歳でAMと出会い、49歳でお別れをすることになった。その間には、恋にたくさん悩んだけれど、この先は「恋が人生だ 誰かを好きでいる素晴らしさを」で生きていきたいと思っております。諦めが悪くてすみません! 最後になりましたが、読者の皆様、そして編集部のみなさま、改めまして、長きのお付き合いありがとうございました!

Text/大泉りか