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  • 2017.05.17

声優さんを好きすぎて婚活にやる気が出ない/筋金入りオタク女子にカウンセリング①

彼氏いない歴=年齢の人の多くは「非モテ」の「喪女」ではなく、そもそも恋人が常にいることを求めていない「男いらず」だと語るアルテイシアさん。恋愛への導火線が長すぎる&なんならしけっている女子がそれでも結婚したい!と思ったとき、どんなルートをたどるのが手っ取り早いのでしょうか?

アルテイシアの恋愛デスマッチに応募してきた声優が好きすぎる女性

 今回カウンセリングするのは、宝塚の男役っぽいハンサム美女のKさん(30歳、クリエイター)
以前、彼女はニコ動「アルテイシアの相談室」にこんな相談を送ってくれました。

私は筋金入りのオタクで、相手もオタク知識がないと死ぬと思い、オタク街コンに参加しています。そこで出会った数人とデートしましたが、やる気が続きません。
私には大好きな声優さんがいます。本来なら「それはそれ、これはこれ」なんですが、この頃、妄想ですまないレベルになってきました。
…わかってるんです!私が好きなのは妄想している声優であり、30歳女が考えることではないと!!
しかし面倒なことに、私の仕事が頑張ればその声優さんに会えなくもないということです。完全に無理なら「趣味:妄想」で終わらせれるんですが…。
そのため「現実をみろ!」と叫ぶ自分に押されて婚活に行き、デートの約束はするけど、「行きたくない!私には好きな人がいるのに!」と欲望の私が叫び、冷静な私が「わかった、でもとりあえず行こう、練習と思おう!声優さんに会えた時に話せるようにするための練習だよ!」となだめて出かける、を繰り返しています。どうしたらよいでしょう?

やる気が出ない本当の理由

恋愛デスマッチ アルテイシア
あったか毛布

K:ニコ動で相談に乗ってもらって救われました。その前は「声優さん断ちしなきゃダメかも」と思ってたんですが、アルさんに「声優さんを癒しや励みにすればいい」「土曜は婚活がんばったから日曜は思う存分ゲームするとか、ご褒美にすればいい」と言われて「やめなくていいんだ!」って。

アル:声優さん断ちしなきゃダメかもと思ってたの?

K:はい。声優さんに恋してるって、中学生だったら可愛いけど…。

アル:倍の年やからね(笑)

K:(笑)自分でもマジ痛いと思う部分もあるから、やめようかと思ったけど、血を吐くほど辛くて。

アル:そこまで好きなことをやめる必要ないよ。ただでさえ婚活はストレスなのに、人生が辛くなっちゃうし。

K:本当にそうなので、声優さん好きを肯定してくれて救われました。
あとは「自分の欲しいモノを整理しよう」「優先順位を考えよう」とアドバイスをもらって、じっくり書き出して考えたんです。そしたら、私は仕事が一番なんですよ。仕事で自分の目指してるところまでいきたくて、結婚やパートナーや子どもとどれを選ぶか?と聞かれたら、確実に仕事だなって。 

アル:そんなふうに「これが一番」と言える仕事ができてるのは、幸せなことだよね。

K:昔からずっとやりたかった仕事で、仕事の苦労はイヤじゃないけど、婚活は面倒くさくて。それは「結婚」がしたいわけじゃないからだなと。
…振り返ってみると、私、人生で男を必要としたことがないんですよ。

アル:うん、Kさんは「男いらず」で来たんだと思うよ。
彼氏いない歴=年齢の子の多くは、モテないわけじゃなく、男いらずなんだよね。言い換えると、男よりもっと優先順位の高いものがあった。逆に彼氏の途切れない子は「彼氏がいればいいな」じゃなく「いないと困る」んだよ。寒がりの人が「毛布がないと死ぬ!」と必死で手に入れるように。

K:たしかに、私も自分の欲しい仕事は必死で手に入れようとしますから。

アル:Kさんは「今は男は必要ないけど、いつか必要になるかも」と思ってるの?

K:そうなんです。今は友達もいるし、家族仲もいいんですよ。ただ問題はお母さんが先に死ぬから、そういう意味で家族は欲しいんです。
数年前に祖母が亡くなって、母と一緒にオイオイ泣いてたんですね。「母が亡くなった時、この悲しみを1人で背負えるのか?」と考えた時に「無理」と思って。一緒に泣いてくれる人、悲しみを分かち合える人が欲しくて「結婚したい」と思ったんです。

アル:それは「家族」が欲しいのであって「結婚」ではないんじゃ?

K:そう、それが夫や子どもじゃなくて、女友達でも同居人でもいいんですけど…ただ現実、女友達と住むのは難しいかなと。友達も結婚したりするだろうし。

アル:30歳ぐらいはそう思うから、一番迷う時期だよね。これが40歳になると、独身の女友達も「自分はシングルの方が向いてる」と悟りを開いて「老後はみんなでシェアハウスに住もう」みたいな話も現実味を帯びてくる。

K:私もオタク仲間と薄い本でパンパンのシェアハウスに住むのが理想です!

アル:それに40歳になると、周りも親が病気とか介護という話が増えてきて、心の準備ができてくるよ。30歳ぐらいは「親が死んだら超ショック」と思うけど、意外と死なへんねんな、親って。

K:(笑)今は人生90年で寿命が延びてますしね。

アル:自分が50代や60代で親が亡くなるケースが多いよね。となると周りも大抵同じ思いをしてるから、共感してくれるし、悲しみも分かち合えるよ。

K:たしかに…。男いらずで来た私は「有事に備えて今のうちから用意しとく?毛布」みたいな感じですよね。

アル:それだとドライブはかからないよね。「ミサイル飛んできた時のために水買っとこか」みたいなもんで「喉渇いた、水…!!」じゃないから。

K:あと、ほんの少し「親に孫を見せてあげたい」「それができなくてゴメン」って思いもあります。それを親に話したら「あんたが楽しく生きてる方がいいよ」と言ってくれたんですが。

アル:親は「娘が幸せなのが一番」と思ってるのに、娘が勝手に申し訳なさや罪悪感を感じてる場合も多いので、ちゃんと確認した方がいいと思う。それに親のためとか周りのためとか、「自分」が本気で求めてないことは、なかなか叶わないよね。

K:婚活にやる気が出ない本当の理由は、声優さんに恋してるからじゃなく、自分が本気で求めてないからだ、と気づけてよかったです。

アル:自分の心を見つめるために、本音を書き出して整理するのはオススメ。

男いらずの歴史と落ち武者の彼

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アル:Kさんは異性と接点はなかったの?

K:私も中高女子校育ちだったので、共学の大学に入ってビックリして…男ってデカいし声も低いし。それで変に意識しまくりで、男友達もできなかったし、大学の4年間はリハビリに費やした感じですね。

アル:私は男子が8割の学部だったから、荒療治のリハビリで男に慣れたんだよね。なにより、私は彼氏が欲しかったしセックスもしてみたかった。それでズベっていく方向にオーバーランしたんだけど。

K:私は男嫌いとかじゃないけど、とにかくマウントされるのがムカつくんです。「やっぱ女の子だな」「守ってやるよ」とか言われると「べつに守っていらんわ死ね!」と思う。

アル:私もそうだけど、女子校育ちの男尊女卑アレルギーなのね。

K:アレルギーはかなり強いですね。「俺に頼れよ」と頭ポンポンとかされると、棒で叩いてしまうかも。

アル:棒で叩くほどなのか(笑)

K:こんな私も22歳の時に一度だけ、男を好きになったことがあるんです。「すごく好き」「会いたくて震える」とかじゃないけど「この人だったら私、付き合えるかもな」と思って。相手はバイト先の先輩で、落ち武者みたいな人だったんですけど。

アル:落ち武者?

K:てっぺんがハゲの長髪で、「髷(まげ)結うの忘れた?」みたいな。

アル:あはははは(笑)!

K:見た目は落ち武者だったけど、自分の好きなモノを追及するオタクぶりに惹かれたんです。あと「男だから」とマウントしてこない人でしたね。女子っぽいフェミニンな人でゲイ疑惑を持たれてました。でもノンケだったので「付き合ってみないか?」と告白したら「いや~ないなあ」と振られて(笑)。でもそれで特にヘコんだわけでもなく。

アル:わりとアッサリだったのね。

K:特に引きずることもなく、彼は今でも仲のいい友達です。私の中ではだいぶ好きな方だったので、付き合ったらもっと好きになったのかもしれないけど。

アル:出会ってからどれぐらいの期間で好きになった?

K:うーん、2年ぐらいですね。 

アル:なるほど。Kさんみたいなタイプは、恋心の導火線が長いし、しけってるんだと思うよ。

K:たしかに(笑)!導火線が2メートルぐらいあるうえ、なかなか火がつかないっていう。

アル:導火線は人によって違うから。世の中には「惚れっぽい人」と「惚れっぽくない人」がいて、後者は恋愛事件が起こりづらいよね。

好かれるとキモくなる現象

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K:だから「試しに付き合う」もやろうとしたけど無理でした。婚活で出会った3人とデートしたけど、普通に楽しくしゃべってても、いざ手とか繋がれると気持ち悪くて。

アル:中学生ぐらいって「友達の時は良かったのに、好きになられるとキモくなる現象」があるけど、それは自分が「女として、恋愛や性の対象として見られること」に慣れてなくて、嫌悪感を抱くんだと思う。男と接点の少なかったKさんは、そういう少女の心があるのかも。

K:やっぱり心は中学生なんですかね(笑)。セックスも「やれるもんならやってみたい」と多少は思うんですが…。

アル:「自分に炊飯機能がついてるなら、一度は米を炊いてみたい」みたいな。

K:そうそう(笑)。そういう好奇心はあるけど、性欲とかほとんどなくて、エロ漫画を読んでたら満足というか。

アル:セックスは「見るもの」であって「自分がする」のは想像つかないのかな。

K:そうですね。べつに性的なトラウマとかはないんですけど…ちなみに私、人生で一度も痴漢に遭ったことがないんです。中高と電車通学だったのに。

アル:Kさんは強そうな感じがして、カッコいいもんな~。

K:背も高いし男顔だし、あとずっと剣道してたんで。

アル:それは棒で叩いたら最強だね(笑)
実際に会って話してみると、Kさんはちゃんと自己肯定できてるし、「自分なんかを好きになる男はキモい」と思ってるわけじゃなく、恋愛や性的なことに慣れてないのが大きいと思う。ちなみに、落ち武者の彼に触られるのはどうだった?

K:落ち武者は自分から「触りたい、抱きしめたい」と思いました。私は人として信頼できると思って、友達関係を築いたうえじゃないと、自分の領域に入ってほしくないのかも。
ただ「好きな人に好かれてみたい」という気持ちは強いんですけど。

アル:Kさんは友達から恋愛に発展する方が向いてるかもね。恋愛には「友情寄りの恋愛」と「性欲寄りの恋愛」があって、私と夫は完全に友情寄りの恋愛から結婚して「貴様と俺」みたいな夫婦になってる。

K:前にアルさんが「長年の親友同士が友情結婚した話」を書いていて「これは自分に合ってるかも」と思いました。私もまずは気の合う男友達が欲しいです。

アル:結婚の優先順位が低いと気づいたなら、婚活するよりも、男友達を作る方がいいんじゃない?

K:そうですね。やっぱり私みたいなタイプは試しに付き合うとか無理かなって。

アル:まあ「これは絶対無理」と決めつけない方がいいと思うよ。「3人と試しに付き合ってダメだったけど、4人目とはうまくいった」みたいなケースも多いし、一番はマッチングだから。Kさんも30人とデートしてみたら、触られても大丈夫な人、好きになれる人も出てくるかもしれないし。

K:たしかにデートしたのは3人で、母数が少なすぎますよね。オタク婚活でいい人もいたけど、クソみたいな男にも遭遇しすぎて、心が折れたのもあります。

アル:そんなにクソみたいな男が多かったの?

―次回、オタク婚活クソ事件と、声優さんへの愛について語ります!

Text/アルテイシア

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次回は <オタク婚活クソ事件と声優さんの恋愛効果/筋金入りオタク女子にカウンセリング②>です。
「恋ができない」のではなく「男がいらない」、「ときめかない」のではなく「恋心の導火線がしけっている」オタク女子Kさんへのカウンセリング第二回、今回はオタク婚活パーティでめぐりあった男子オタクたちとのエピソード。しかし、婚活がうまくいかなくてもKさんの表情は明るい笑顔です。彼女に結婚は果たして必要?

ライタープロフィール

アルテイシア
作家。
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