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  • 2017.05.31

オタク婚活クソ事件と声優さんの恋愛効果/筋金入りオタク女子にカウンセリング②

「恋ができない」のではなく「男がいらない」、「ときめかない」のではなく「恋心の導火線がしけっている」オタク女子Kさんへのカウンセリング第二回、今回はオタク婚活パーティでめぐりあった男子オタクたちとのエピソード。しかし、婚活がうまくいかなくてもKさんの表情は明るい笑顔です。彼女に結婚は果たして必要?

アルテイシアの恋愛デスマッチに応募してきた声優が好きすぎる女性

 「声優さんを好きすぎて婚活にやる気が出ない」と『アルテイシアの相談室』に相談をくれた、宝塚の男役っぽいハンサム美人のKさん(30歳クリエイター)
その後、自分の心と向き合って「やる気が出ない本当の理由は、男を必要としない男いらずで、結婚の優先順位が低いから」と気づいたのでした。

 前回とあわせてどうぞ。

オタク婚活クソ事件

聖数3の二乗 Single, Maxi
『聖数3の二乗 Single, Maxi』

アル:オタク街コンには何回ぐらい行ったの?

K:オタク街コンは6回行って、1回だけ普通のカラオケ街コンにも行ったんです。そしたらみんな見事にリア充でエグザイルとか歌うんですよ!

アル:まあ歌うよね(笑)

K:「この場でアニソンを歌うわけにはいかぬ…」と我慢してたら、リア充の人たちが「アニソン歌いなよ!」と勧めてくれて。『オカルティックナイン』ってわかります?

アル:わからない(即答)

K:これこれこういうアニメなんですが(割愛)、主題歌の『聖数3の二乗』という超中二っぽい曲を歌ったら、みんなポカンとしつつも「えーっと、個性的な曲だね!」とか言ってくれて(笑)

アル:人ってコメントしようがない時に「個性的」って言うよね(笑)

K:ウェイ系ってすごく空気を読むし、距離感をつかむのが上手いな~と思いました。ウェイ系の男子に「二次会行くの?」と聞かれて「今日は帰る」と言ったら「そっか、じゃあまたね!」と爽やかに手を振ってくれて。「話は合わないし好みじゃないけど、いい人たちだな~!」って。 

アル:ウェイ系は基本コミュ力高いもんね。

K:オタク街コンでコミュ障30人とかにあたってたんで、神に見えました(笑)。オタク街コンは7割ぐらいがコミュ障で、「さっき岩の裏から出てきた」みたいな人もいて。

アル:岩の裏とか石の下とか(笑)

K:でも話を引き出すと面白い人も結構いたんですよ。オタク街コンに行ってみて「男にもいい人もいる」とわかったので、それはよかったんですが…クソみたいな男も多くて。

アル:どんなクソ男に遭遇したの?

K:一方的に知識をひけらかして、しかもメッチャ薄いみたいな。なのに「俺の方が詳しい」とマウントしてくるんですよ。

アル:オタクウルトラクイズとちゃうねんから、なぜ婚活で勝とうとするのか。私もオタク男に「ボトムズ見ずにガンダム語っちゃダメでしょ」とかドヤ顔で言われて「お前見てるだけやろ、作ったわけちゃうやろ」って。

K:そう!見るのは誰でも見れるし、知識もネットで調べれば出てくるし「お前は特別ちゃうぞ、このモブめ!」って。あと自分の知らない話になるとスネる男もいて。

アル:中二以下や、小四か。

K:私は自分の仕事について詳しく話さず「クリエイター系です」と言ってたんですが、「自称クリエイター?」とか言われて「ハアッ?ぶっ殺すぞ!」みたいな。

アル:それはぶっ殺しても法的に許されると思う。

K:あとオタク街コンで前に会った人に再会して「また会いましたね~」って言ったら「よく二回連続で来るよね」と返されて「おまえもな!」みたいな。一応笑顔で「それブーメランですよね~」って言ったら「いや、俺は前回は下見で行っただけだから」って。

アル:しょうもなすぎて動悸がするわ~、救心をください!!

K:(笑)私も「なんでこんなしょぼい奴らにマウントされなあかんねん」とメンタルが削られました。

アル:マウントするのはしょぼい奴なのよ、自分にちゃんと自信のある人はマウントなんてしないから。そういうコバエみたいな連中を駆除するために、コバエコナーズを置いてほしい。

K:いい人もいたけど、コバエみたいな連中にも遭遇して、心が折れたのもあります。数をこなさなきゃと思うけど、もう疲れたよ…っていう。

アル:読者の子から「心が折れても諦めずオタク婚活に行き続けたら、今の夫とエロゲーの話で意気投合して婚約しました!」みたいな報告ももらうけど。Kさんの場合、結婚の優先順位が低いから、そこまでパワーを割きたくないよね。

K:やっぱそこまで頑張れないんですよ。恋愛目的じゃない、ただのオタクの飲み会が一番楽しいです。アルさんが「友情寄りの恋愛と性欲寄りの恋愛がある」と言ってたけど、私が恋愛するなら友情寄りだと思うので、まずは気の合う男友達を見つけたいです。

アル:その方がいいかもね。Kさんは恋心の導火線が長いし、湿気ってるし(笑)。

K:それも自覚できてよかったです(笑)。婚活だと3回ぐらい会うと「付き合う、付き合わない」の話になるので、自分には向いてないなと。

アル:「趣味のイベントやオフ会で出会って付き合った」という話もよく聞くし、自分が楽しめそうな場所にどんどん出かけるといいと思う。

アマゾネス村出身の魂

31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる
『31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる』

K:でも婚活してみて「こういう人は合う」「こういう人は無理」というのがハッキリして良かったです。

アル:「一緒にいて楽しい人がいい」「居心地のいい人がいい」と言う女子は多いけど、どんな人といると楽しいか?居心地がいいか?は人それぞれ違うから。いろんな人に会わないと、自分の好みはわからないよね。

K:それでいうと、私はさかなクンみたいな人が好みだなって。他人に勝ちたいとかじゃなく、自分の好きなものをひたすら追及している人。

アル:さかなクンは素晴らしいよね、偉大な人だ。

K:でも、ああいう男の人ってめったにいませんよね。私、そもそも男で好きと思う人が少ないんですよ。女友達といる方がずっと楽しいし。

アル:私も女友達といる方が楽しいし、自分の好きな男以外は好きじゃない。

K:これって女子校育ちの男尊女卑アレルギーだから?

アル:男のいない楽園で育ったからね。私は教室で相撲とったりしてたよ。

K:私も教室でチャンバラとかしてました(笑)

アル:「男を立てる」「男に媚びる」みたいな文化のないアマゾネス村出身だから「男って面倒くさい、女同士が一番」と魂に刻まれてるよね。あと「やっぱ女の子だな」「守ってやるよ」とか言わるとムカつくのは、「女=自分より弱い存在」と決めつけられるのがイヤなんだと思う。

K:そう!だから女の子扱いされるのがイヤなんです。落ち武者の彼は仕事で助けてくれてもドヤ感ゼロだったから、好きになったんでしょうね。

アル:うちの夫もドヤ感のないオタクだったよ。付き合った当初は一切ときめかなくて「同性だったら親友になってるな」って感じだった。

K:アルさんは「惚れたハレたはもういい、家族が欲しい」と思ってたんですよね?

アル:そこがハッキリしてたから夫と結婚を決めたんだと思う。逆にときめかないのが良かったのよ。ときめき補正がないぶん、ありのままの相手を見られたから。
あと「ときめき的な好き」もあるけど「相手のいい部分をいっぱい知ってるから好き」もあって、今結婚12年目だけど、どんどん夫を好きになってる。

KTOFUFUの連載を読んでると、こういう結婚生活だったらいいなと思うんですよ。あと御手洗直子さんの『31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる』を読んで、こういうオタク同士の結婚もいいなって。ただ、私はあそこまで婚活を頑張れないなと。

アル:御手洗さんは「昔から結婚願望が強かったし、子どもも欲しかった」と書いてらしたもんね。だから「300人とメールして30人とデートして半年で結婚を決める」ができたんだと思う。

K:私の一番は仕事ですけど、それ以外のリソースをどこに割くかといったら、やっぱり趣味、オタク活動に割きたいんですよ。それで結婚できないと言われたら「それでいい」って。 

アル:じゃあ、いいよ(笑)。自分の中でちゃんと結論は出てるよね。「趣味にお金も時間もかけたいけど、やっぱり結婚もしたくて…」じゃなく、Kさんは「趣味の方が大事!」と優先順位がついてるから。

K:優先順位をハッキリさせたことで、気持ち的にもスッキリしました。

アル:何よりKさんは「仕事がイヤだから結婚したい」「結婚しなきゃ食っていけない」とかじゃないから、頼もしいよね。

K:ただ同人誌や遠征代で悲しいほど金がなくて。貯金しなきゃと思って、通帳をお母さんに預かってもらってます。

アル:自分で管理しないのが大事だよね。ハンコはお母さんの胃の中にでも保管してもらって(笑)

声優さんの恋愛効果

声優に死す 後悔しない声優の目指し方
『声優に死す 後悔しない声優の目指し方』

K:落ち武者を好きになって以来8年間、一切何もなくて「俺の心は死んだ!」みたいな状態だったんです。

アル:「愛などいらぬ!」のサウザーみたいな(笑)

K:その声優さんはそれ以来、初めて好きになったんですよ。二次元の推しは複数いるけど、こういうのは初めてで「俺の心を溶かしたのはキミだ!」みたいな。「これが恋だ…!」という自分と「キモい、やめろー!!」という自分が脳内でバトルしてます。

アル:ご本人に会ったことはあるの?

K:この前、二回連続で公開録音に当たったんですよ~!!もう超かわいくって~!!!短期間で二回も会って「これってもう付き合ってるんじゃ?」って。

アル:あはははは(笑)!付き合ってないよ、気を確かに。

K:でも彼の視界に入ったとは思ってるんです。キモいけど、そう思ってる方が人生楽しいじゃないですか?

アル:たしかに。カレー沢先生がTOFUFUのコラムで「イベントの前日は楽しみすぎて眠れないし、朝はどんな老人よりも早く起きる。こんな楽しみに出会えたのは、私が34年間キモかったからだ」と書いてらしたよ。

K:そうなんです!私も30年間キモかったお陰で、こんなに人生楽しいんだなって。きっと90歳のババアになっても公録に行ってると思いますし。

アル:その頃は客席がババアだらけになってるよ。今は結婚を一番意識するお年頃で、プレッシャーもあるだろうけど、ここを過ぎれば「人生楽しい、独身最高!!」と言ってると思う。

K:「やっぱ老後はオタクシェアハウスが最高だ!」って(笑)

アル:だってKさんは悩んでる感じがしないもん。顔も明るく輝いてるし。

K:いやー実は声優さんに恋に落ちて以来、「なんかキレイになった?」と周りに言われるんです(笑)。というのも美容とか興味なかったけど、「彼に会う時のために」と初めてデパ地下に行って、美容液やら化粧品やら買ったんですよ。

アル:おお~!始めての自分への投資。

K:「そんな金があれば薄い本を買う!」と思ってたのに。服も着れればよかったけど、ネットや雑誌で研究して、自分に似合う服を買うようになりました。

アル::恋する女はキレイさ的な。確実に恋愛効果が出てるよね。

K:ちなみに彼の名前の画数を調べて姓名判断したら、最高の相性だったんですよ!!

アル:あら~!ごめん、「あら~」としか言いようがないわ(笑)

K:私はそれで3日ぐらい多幸感に包まれました(笑)。彼を好きになってから、仕事もやる気が出て順調なんです。

アル:どんな覚せい剤よりも効くよね。

K:効きますね。東京ってべつに好きじゃなかったけど、この街のどこかに彼がいると思うだけで、街がキラキラ輝いて見えます。結婚とこの幸せどっちを取るかと言われたら、こっちだなと。

アル:結婚しても不仲だったり、物足りなくて不倫とかしてる人たちより、何億倍も幸せで充実してるよね。
本当は現状で幸せなのに、「彼氏のいない自分はダメ」「結婚しなきゃ幸せじゃない」と世間や他人の声に振り回されてる女子は多いと思う。そんな子達は、Kさんみたいに自分の心と向き合って「自分にとっての幸せは何か?」「欲しいものの優先順位は?」と考えてみてほしい。ところでKさんはお酒強いの?

K:強いです!  

アル:よし、じゃあ飲みに行こうか!

―この後も串カツ屋に行き、オタトークで盛り上がったのでした!

Text/アルテイシア

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次回は <セフレ化するのは「いきすぎポリアンナ」が原因?隠れ性豪女子にカウンセリング①>です。
今回の相談者は、結婚相手を探して婚活しているはずなのに、気づけばセフレになってしまっているというEさん。そんな彼女にアルテイシアさんはどんなカウンセリングをするのか!?今回はいつもより厳しい言葉が胸に刺さります。

ライタープロフィール

アルテイシア
作家。
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