奢りに対する拒否反応

男尊女卑アレルギーの女子は、奢られるのが苦手な人が多い。
“かわいく奢られる方法”といった文言を見ると「かわいく?」と眉間にシワが寄り、「男女平等を唱える者が男に奢られてなるものか!」と拒否反応が出てしまう。

私もその傾向があったけど、自分が年下に奢る立場になって気づきました。
相手に「イヤイヤいいです!払います!」と遠慮されすぎると、こっちも気をつかって誘えなくなる。それに奢るのは見返りを求めてるとかじゃなく、楽しい時間を過ごせたお礼の気持ち。
だから払うと頑なに主張するより、そのぶん楽しい時間を提供すればよいのです。

かといって、鉄板のすべらない話を披露しろというんじゃない。
まずは興味をもって相手の話を聞くこと。相手が口下手だったら、話を引き出してあげること。なにより、自分も積極的に会話を楽しむこと。

男尊女卑アレルギーなのに「恋愛では男にリードされたい、男に楽しませてほしい」と望む女子も多い。それは「バリバリ働きつつ家事育児も完璧にする妻がいい」と望む男と同じで、そんな都合のいい異性はUMAなのです。

そりゃ男がリードして楽しませてくれたら楽だけど、それができる男は既婚者かヤリチン。
マトモな独身男はオクテゆえに残ってるのだから、受け身はやめましょうね…というわけで、新刊ではオクテ女子にもできる恋愛のコツを書きました。

その中の<恋愛力をアップさせる6つのS><ムツゴロウタッチとツンデレタッチ>を実践した女友達から「5年ぶりに彼氏ができました!ギャアアア!!」と喜びの阿鼻叫喚が寄せられた。

「男に媚びてたまるか!」という自分の根本は変えなくていい。でもそんなに苦痛じゃないことは試しにやってみてください。

「私は女らしいキャラじゃないから」とキャラに縛られる女子もいるけど、人間はアシュラマンのように多面的。男らしい面もあれば女らしい面もあり、強い面もあれば弱い面もある。
フェミニンな服も着ればボーイッシュな服も着るように、いろんな自分を自由に柔軟に楽しめばいい。
女モードの自分を楽しむ余裕ができれば、恋愛も人生もうまくいきやすくなります。

最後に。
日本社会でマトモな感性をもって働いていれば、男尊女卑アレルギーになるのも当然。
けれども「森を見て木を見ず」はよくない。我々も「女ってこうだよな!」と一括りに決めつけられると腹立つし。

かつての私は男社会や男尊女卑への怒りを、出会う男性たちにぶつけていました。
それは無差別にウンコを投げるゴリラと同じで、ウンコはちゃんと狙って投げるべきなのです。

たとえば男性育休や夫婦別姓やマタハラの話題をふれば、相手の価値観や本音が垣間見える。
「ウンコを投げるべき相手か否か?」を見極めるスキルを身につけましょう。

そして「加齢って便利」と実感する今日この頃。女も年をとるとドスがきいてくる。
若い頃は男尊女卑な男に会うと「油風呂に沈めて火だるまにしてやろうか」と眉間にシワが寄ったけど、今では眉ひとつ動かさず、ゴルゴ13のような表情で相手を黙らせられる。

キャピキャピと若作りするより、ドスのきいたアラフォーになる方が、人生は楽しい。
「アラサーはもがいて大変だったけど、そこを抜けると超楽しい!」と語る女性は多いもの。
皆さんも愉快なアラフォーを迎えるべく、取捨選択しながら、人生の舵をとってくださいね!

Text/アルテイシア
記事初出:2016.03.09

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