セックスの壁とコンプレックスの壁

アル:男子は「そりゃ彼女できないだろうな」って子が多いけど(笑)、女子は「彼氏できそうなのに」って子が多いよね。みんなもそう言われるでしょ?

腐女子:言われますね、「絶対彼氏いるでしょ」とか…でも「どうせ社交辞令だ」と思っちゃうんです。私は職場にリア充女子が多くて、余計に「こんな自分はダメだ」とコンプレックスをこじらせたのかも。いいなと思う人に出会っても積極的になれなくて。

アル:腐女子ちゃんは「まだ性に目覚めていない」と言ってたけど、性に抵抗のある女子は男子からアプローチされると引いちゃったりするよね。

腐女子:そうなんです。友達の時はいいのに、アプローチされると「えっ、そんな性的な目で見てたの?」とか思っちゃって。

アル:それって十代の子に多くて、年齢を重ねると自然に解消するパターンが多いんだけど。でも性に対する嫌悪感や罪悪感が強いと、壁を壊せないままになるみたい。

文系:書物で研究して自己開発するといいかも(笑)。私はそれで「セックスって悪くない」と思えたし。

アル:自己開発を勧めても「そんな気になれません」とメールをくれる読者は多いよ。そこは自分で「そんな気になる!」と決めるしかないからさ。他人に何とかしてほしいと思うんじゃなく「オラオラオラ!」と壁を壊すしかない、スタープラチナのように。

腐女子:私もスタープラチナを目指します…!

ノンキ:私もコンプレックスはすごくありますよ。アルさんもよく書いてるけど、そのせいで自分を好きにならなさそうな人、恋愛に興味なさそうな人を好きになるのかも。

アル:自己評価が低いと「こんな私を好きになるなんて、おかしいんじゃないの?」と思っちゃって、自分なんかを好きにならない男に惹かれがちだよね。自分がパン屋だとしたら「こんな不味いパンを求める客は願い下げだ!」みたいな。

文系:「自分なんかに手の届かない男」に惹かれるんでしょうね。私も素っ気なくされる方が気になっちゃいます。

腐女子:私も積極的に来られると「気持ち悪い」と引いちゃって、冷たい態度をとられた方が気になります。

アル:それは相手が気持ち悪いんじゃなく、自分が気持ち悪いんじゃない?

腐女子:その通りです。アルさんは心が読めるんですか?

アル:中二っぽい発言だな。

腐女子:私、ほんとに自分がキモくて。『ちんつぶ』とか夢中で読んでるくせに、男性器はグロいとか言ってて…エロくて性欲強い女のくせに、なんなの?って。

アル:それ性欲じゃなく、中二の好奇心だと思うよ。

腐女子:よかった…私、中二なんですね!

アル:よかったのか?

腐女子:あと男性を見ると「この人は受け」「この人は攻め」とか瞬時に分類しちゃって、ある種の病気だと思うんですけど。

アル:それは心底BLが好きなんでしょ。いいんじゃない?本人に「あなた受けですね、わかります」とか言わなければ(笑)。

ノンキ:(笑)でも私も腐女子ちゃんの気持ち、わかりますよ。

アル:受けか攻めか分類する気持ち?

ノンキ:いや「自分がキモい」って気持ち。私もこの年になっても自信がなくて、「モテそう」とか言われても「そんなわけない、お世辞に決まってる」と思っちゃって…面倒くさい女だなって。

アル:コンプレックスの壁がはね返してしまうのか。
美人でモテる女友達がいるんだけど、本人は「ブスだしモテない」と本気で思ってるのよ。客観的事実ではなく、女は自分で自分を認められないとダメだからさ。