AMパリ支局がお送りする 結婚と幸せの方程式

二度と帰ってこない旦那を待ち続けるクラスメイト

世界で婚活をし、フランスでパートナーと出会い結婚したパリ在住の『世界婚活』著者が送る、オシャレばかりじゃないパリのリアル、LOVE、幸せについてお送りします。

パリで出会ったウソみたいな本当の愛の話

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by skbee

 ここ最近のパリの一大ニュースは見事(?)同性愛結婚の法案が通過したとうことでしょうか。
パリの街でもうすぐ同性愛カップルたちの結婚式が見られるようになるのです。

 一方でカトリック信者の多いフランスでは、いまだ同性愛結婚に反対する大規模デモが行われて暴動騒ぎにまで発展しています。
小市民日本人である私は、フランスの進んだ面と保守的な面が公で火花を散らしてぶつかりあっているのを見て一人ハラハラしています。

 そんなパリで今週、「愛」について考えさせられる出会いがありました。
私は今、改めてフランス語を学校で勉強しているのですが移民の多いフランス、クラスメイトはアジア系ではバングラデッシュ、中国、タイ、韓国、チベット、他にはアゼルバイジャン(→日本にいる時は聞いたこともなかった名前の国!)そしてロシア、コロンビア、アフリカ、チェチェン人などのクラスメイトと毎日顔を合わせています。
人種の坩堝といわれるNYよりも国のヴァリエーションが豊かに感じます。
ただしNYと違うと思うのは、好きでフランスに住んでいるわけでなくて止むをえない事情で移住してきたという人が多いということでした。
特に、母国の紛争や貧困から逃れるため等々の事情があるようなのです。

 そういう事情を改めて知ったのは学校初日の自己紹介の時でした。
クラスメイトの1人であるチベット人の男性がつぶやいた「僕の父は中国人に殺された」という言葉に私は凍りついてしまいました。
しかも私のすぐ横には中国人の女性が…。

 遠い世界のお話だと思っていたリアルがこうして目の前で突きつけられると、
いかに自分が日本人として生まれて平和に生きているかということを知り、なぜか恥ずかしいような肩身の狭いような思いをしてしまいます。

 一番ショッキングだったのは、チェチェン人の女性の話です。
彼女は30代後半と思われる、ぽっちゃりしてやさしそうな笑顔が印象的で、いつも恥ずかしそうに先生の質問に答える女性です。
大きなスカーフを頭から巻き、髪の毛を見せることは絶対にありません。

 ある日彼女は、ランチタイムにハニカミながら他のクラスメイトに写真を見せ始めました。
私は「何の写真なの?」と聞いたら、彼女は私のところまで写真を持ってきて見せてくれました。

 その写真というのはピンボケした10数年前に撮影されたというカラー写真で、彼女とその旦那さんが庭に立って並んでいるものでした。
写真の中の彼女は別人のようにスレンダーで赤らめたほっぺたにいまと変わらぬハニカミの笑顔。
隣に並ぶやさしそうなの旦那さんと彼女の間には妙な距離があり、二人して恥ずかしがりながらも撮られた写真だったのかなという雰囲気です。

 この写真を見せてもらっている時に、他のクラスメイトが
「彼女はその旦那さんがに紛争に借り出された日から十数年も彼の帰りを待ち続けている」
と教えてくれました。

 幸せそうな二人の写真の裏には、そんな悲劇があろうとは…。
思いもよらなかった事実に私は動揺して
「旦那さん、かっこいいね」
としか言えず、にじんできた涙をこらえるのに精一杯。