「言い切る」と「寄り添う」のバランス感覚

また、母であり、働く女性である点でもルースと共通している犬山さん。「憧れますよね。今よりもっと保守的な時代にシングルマザーをやっていた。でも、仕事を愛していて、子どもを愛していたから、やれたのかなと思う。楽しむのが上手ですよね。」と共感を示し、さらに、「幼少期に孤児になったり、最愛の夫を早くに亡くしたりと、本当に辛い経験を沢山している。生きていると誰しも傷を抱えるものだとは思うけれど、ルースは、自分の傷を誰かへの優しさに変える。それがさらに自分の力になっていくという稀有な方。その姿に、仕事や子育てで今自分が傷ついたときに勇気をもらえる。自分の器がどんどん大きくなるチャンスだと捉えられる。」と、熱を込めて語りました。

また、ルースのお悩みを聞いて答える力について、「あんなスパッと言えないですよ。言い切るって実は簡単。責任さえ持たなければ。私も最初は毒舌キャラで出てきた。でも、かなりそこから反省をしたんです。自分の毒舌に傷ついている人が多くいるのではと。ルースの場合は、きっぱりと言い切るのに、寄り添っている。これは相当な学と経験、それにバランス感覚がないとできないことで、とても真似できないです。きっと根底には、誰しも尊重するという信念があるからこそとも思う。」と、お悩み相談のカリスマを賞賛。

『おしえて!ドクター・ルース』トークイベント

知識は誰にも奪えない

さらに、一番好きなルースの名言については「『知識は誰にも奪えない』って真理だなという気がます。生きていると搾取されている気持ちになったり、圧を感じたり、傷ついてしまったりしますが、誰にも奪えない聖域が自分の脳にあるっていうのは、福音のような言葉だなと思いました。」

続けて、「エイズが流行ったときに、同性愛者やドラッグ患者への風当たりがキツくなったことに対し、『特定のグループを非難するのは時間の無駄遣い』とバッサリ言い切るシーンもありました。どうしてもカテゴライズして非難してしまうこと、ありますよね。私もまさに先日、ベビーカーや子連れが電車を利用することについての論争に巻き込まれて、自分も意見したんですけど…、『ベビーカーを使っている人』などと区切るのではなくて、『みんな』が幸せになるにはどうしたらいいんだろうと、全員を尊重することが大事だと改めて感じました。」と、タイムリーな話題への言及も飛び出しました。

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