「好きを仕事に」で夢破れた日。わたしはもう一度、人生の目標を掲げた

「夢は?」問いに答えられるか?

ワイルドワンコラム Image by bruce mars

先日、ある取材で「夢はありますか?」という質問を受けた……。子供のころ一つの夢がありました、それは「アメリカに行きたい」という夢。

スナックを経営していた私の両親はとても忙しかったので、アメリカに住んでいるおじいちゃんとおばあちゃんが子育てのヘルプに日本へ引っ越してきました。日系アメリカ人のおじいちゃんが纏うアメリカの空気感と、料理上手な彼がふるまうアメリカンフード。加えて、派手派手ファンキーなアメリカの洋服に身を包んだおばあちゃんに育てられ、自然と私も派手派手なアメリカの洋服が大好きになりました。何よりも二人の面白く明るく朗らかな物の考え方や生き方に、すっかりアメリカへ行きたいと憧れを持つようになります。

大好きなアメリカの服とアメリカに行きたいと言う夢をなんとなく叶える形で、自分のインポートショップをオープンさせた日。23才だった私は「やっと子供のころの夢が叶う」という幸せな気持ちで胸一杯になりました。しかし自営業を始めたら365日24時間、ビジネスのことを考えなくてはならず、休みもあまりとれず。自分に課したルールに則って、自分を制御しなくてはならず。誰にも頼れないし責任は自分で取らなければならず。と、実際に始めてみると夢で食べていくのは大変なことなんだなぁと現実が身に沁みました。

好きなファッションをビジネスにしたので、自分が着るものは宣伝広告のようなもの。なので売りたい服を常に着用するようになれば着たい服が着られないこともあったりして、大好きなファッションの幅が狭まる結果になり、息苦しさとジレンマを感じることもありました。

15年間、自分の夢を追い続けて生きてきましたが、2011年3月「東日本大震災」が起こり、その直後はお客さんがぜんぜん来なくて、それに対しての補償などもなく、赤字のダメージを受け、自営業の大変さと孤独さが身に沁みました。また、37才という年齢だからなのか、洋服で着飾ってもかつての輝きを失った自分の容姿に嫌気がさし、ファッションへの情熱が自分史上最もなくなっていた時期でした。そうなると洋服屋を続けることはもはや重荷でしかなく、店を畳んだのでした。

店を畳んだ直後に、20代の男性から「Yukaさんの夢は何ですか?」とふいに聞かました。その時は、自分の大きな夢の幕が閉じてひと段落し心の中は空っぽだったので、「夢はないんです、これからは穏やかに生きて行きたい」と素直な心境を答えました……そしたら、めっちゃ怒られたんです。「何言ってるんですか! Yukaさんみたいにバイタリティのある人だったら、なんだってできるのに勿体ない! そんなこと言っちゃだめです! 夢持ちましょうよ」と熱く語られました。あまりにも圧倒されて「そうですよね、夢……これからの目標とかも探さないとですよね……」と答えたのを覚えてます。