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  • 2017.12.28

「女は強く賢くあれ」私なりの恋愛論/戦慄かなの

終わった恋の足跡を辿る、忘恋会2017。第2回目はミスiD2018サバイバル賞を受賞した戦慄かなのさんが、実の母親から学び取った、独自の恋愛論を語ります。母親のように自分に自信がなく、恋人を振り回してしまう人たちは「なぜそのようなことをするのか」「依存しないためにどうするべきか」を独自の視点で書いてくれました。

 終わった恋の足跡を辿る、忘恋会2017。
今年の締めくくりにふさわしい恋愛納めコラムを厳選してお届けします。
今年に一旦けじめをつけて、来る2018年の新しい恋に備えましょう。

戦慄かなのさんアイコン画像

 初めまして。戦慄かなの(@CV_Kanano)と申します。アイドル活動を一時お休みして、今は大学受験の勉強に励むニートです。今年19歳になりました。

 今回「過去の恋愛」についてのテーマでコラムを書くというお仕事を頂いた。それも20〜30代女性向けのウェブサイトの…。私は正直うろたえた。私自身、実は恋愛経験がない。仮にあったとしても、一応アイドルなのでシークレットなのだがそんなことはどうでもいい。しかし、「自分の周りの恋愛についてでも良い」ということだったので、このお話を引き受けることにした。
「迫り来る2018年に備えて心を新たにこれからの恋愛に備えよう」という企画のコンセプトに沿って、私が恋愛について感じていることなどを徒然なるままに書いていこうと思う。

カレの愛を試すばかりの実の母親

 私の周りにいる女は、何故か総じて恋愛が下手だ。いや、下手なんて言葉では言い表せない。特にこじらせているのは、私の実の母親である。母の恋愛は常に「相手を傷付ける恋愛」だ。

 そんな母は今年39歳であり年上の彼氏がいるが、毎日喧嘩をしている。
正確には喧嘩ではなく、母がわざと相手を怒らせるようなことを言うのだ。「どうせ可愛い子と浮気してるんでしょ」「こんな家出て行ってやる、他の男の家に泊まる」など…。

 実は母には彼氏があと3人いる。39歳にしてここまでモテるのは良いことだが、問題はそこではない。モテるにもかかわらず、母は自分に自信が持てないのだ。だから何人も男をキープして、いつでもチヤホヤされる環境を整えている。
そして、1番大事な彼氏に対してわざと傷付けるようなことを言うのも、相手を傷付けたいと思っているわけではなく、自分への愛を試しているのだと思う。

 本当は、自分がそんなことを言うたびに「そんなことないよ、愛してるのは君だけだ」「僕には君がいないとダメだ」などと言ってほしいのだ。
もちろん、思い通りになるわけもなく相手を怒らせてしまい、結果自分の甘えの欲求は満たされない。私から言わせればなんて傲慢な女だと思う。この手の恋愛は振り回される側はもちろん、振り回す側も精神的にしんどいだろう。

 だけど実は私にも、中学生の頃男の子たちに思わせ振りな態度を取り、相手から好意を向けられることで承認欲求を満たしたり、メンタルを保っていたりしたことがあった。
恋愛感情は無かったので、さすがに相手を試すまではしなかったが、無意識に母の真似をしていたのだ。
だから、母が自分への自信の無さから、カレを試すような恋愛をしてしまう心理は、分からなくもないけれど…。

 しかしなぜ母親は自分に自信が持てず、カレを試すことばかり言って承認欲求を満たそうとするのか。私はこういう話を聞いたことがある。

カレに自分の理想を追い求めるな!
承認欲求の強い母親から学び取ったこと

 女性の心の中には理想の男性像、つまりアニムスがいるという(男性ならアニマ)。
これは、本来はラテン語で「魂」や「生命」を指しているが、近代になってユングという精神科医が独特な恋愛用語として用いている。
相手に恋をしているつもりでも、実は相手という媒体を通して、自分の中のアニムス(もしくはアニマ)に恋をしている場合があるのだと。

 アニムスという言葉が少し分かりづらければ、こうも言い換えられる。例えば、あなたはダイヤモンドがとても欲しかったとする。そして、ダイヤモンドを手にする。手のひらに乗せる。あなたは、欲しかったそれを手のひらに乗せたことで、同時に幸せも手にしたと思うだろう。

 しかし、それは違う。ダイヤモンド=幸せではない。幸せというのは、そのダイヤモンドという媒体を通した自分の心の中にのみ存在するものである。ダイヤモンドの存在だけでは幸せは完結しないのだ。

 つまり、相手という媒体を通してアニムスに恋をしているというのは、「ダイヤモンド=幸せを手にいれた」ということではないように、「恋人=自分のアニムスもしくはアニマ(理想)を手にいれた」ということではない。
そのため、恋人は自分の理想通りに動いてくれるとは限らない。結果、承認欲求が満たされずますます自信をなくすという悪循環を引き起こしてしまうのだ。

 実際、母親は満たされることのない承認欲求を引きずりながら、カレを試すようなことばかりを言い続けている。だが、母親だけではなく「なぜ恋人は自分の理想通りに動いてくれないのだろうか」と思い悩む人は案外多いのかもしれない。

 そのような人たちは、これからどのようにして恋愛をしていけばいいのだろうか…。

女は強く賢くあれ

 アニムスに関する話や、実の母親の恋愛を見てきた上で辿りついた、私なりの結論がある。それは、別れるまで「自分は愛されている」と信じ切ることだ。

 先ほども述べた通り、恋人はアニムス、つまり自分が思い描く理想とは違う。時には欲しい言葉を投げかけてくれず、承認欲求が満たされないかもしれない。しかし、そのことを受け入れた上で、相手は自分を愛してくれていると信じることが大切だと思う。

 しかしそうは言っても、時にはどうしても不安になって、相手を試したり、卑屈になって自己憐憫に浸ったりすることはあるかもしれない。
その時は「自分に素直であること」「自己のアイデンティティを確立すること」といった自立心を持つための行動をとり、相手に期待をせず、依存を防ぐことを心がければいい。

 心配ない、あなたは愛されている。相手に過度な要求や依存をせず、自立した恋愛をするのは、何歳からだって遅くはないのだ。せっかく女に生まれたならあざとく、そして強く賢く生きた方が良い。

 私は、 母の血をバッチリ受け継ぐというハンデを背負っているかもしれない。
だけど、未来はいくらでも変えられる。私はそう信じている。

Text/戦慄かなの

戦慄かなの

1998年9月8日生まれ (19才)のアイドル。
講談社主催のオーディション『ミスiD2018』でサバイバル賞を受賞。
ツイッター:@CV_Kanano

次回は<デイリーポータルZ林雄司さんの別れ話/忘恋会2017>です。
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