自分の性別が邪魔をする
DVや性的被害、非正規労働、賃金格差、結婚や出産に対する周囲からの抑圧。世に存在する女性が直面するありとあらゆる問題に対して、私は常に怒っている。許してはいけないし、同性という共通点しかないにしてもできるだけ味方でいたい。「あなたは悪くないよ」と発信していたいと思っている。しかし、とりわけ自分のこととなると、その軸もブレるのだ。何より、私が好きになれない自分の性別に頼ってしまっているような、武器として振りかざしてしまっているような、単純に甘えているだけな気がして、自分に嫌気がさす。
私の勘違いなんじゃないか? もっとできることがあったのでは? 単に努力が足りないだけなのでは? 自分に降りかかる問題について、どこまでが社会や相手の問題で、どこからが自分の問題なのかがわからない。私の話を聞いた人は、そりゃ「あなたは悪くないよ」と言うだろう。しかし、何か問題が発生して双方の事情を知っている人は決まって「あなたも悪いでしょ」と言うのだ。それってやっぱり、私にも欠点があるからこその発言なのではないだろうか。
女であることで巻き込まれる出来事について、私はどこからどこまでを社会の問題にして、何を自分の問題としてとらえればいいのかわからない。未然に察知し、対応を取るよりも前に、気づいたら問題に巻き込まれている。いつも理解するのが遅いのだ。
私は、自分が女性であることをどのように認識し、理解すればいいのだろう。社会のさまざまな考え方に触れると、さらに自分の性別に対する考え方や価値観がわからなくなってくる。普通に生きていただけなのに、あらゆる事柄に対して、自分の性別が邪魔をしている気がする。
Text/あたそ
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