特定の誰かのために生きる人も素敵だけど、今現在思い当たる存在がいないからといって、自分の人生を輝かせることに負い目を感じる必要はない。

「誰か」への依存心や、誰かと歩みたかった未来像が断たれてしまった時に、私は「誰か一人のために生まれたわけじゃないし」と開き直ってなんとなく外に出てみた。
すると、これまで無意識に相手に合わせた選択をしていたことや、相手との一喜一憂に惑わされて手を尽くさずにいた自分自身の欲求を見つめるようになった。
寂しいはずなのに、どこか解放感も味わっている私がいる…！
そう気がついた時、自分が何者でもない、何者にも干渉されない街の雑踏の一粒になってみるのも悪くはないと思えた。

ゼロベースが出発地点。ここから始められる。
些細な行動でも、自分で自分の舵をとることは自信につながるから。

「自分はあんな風には生きられない」と卑屈になってしまう対象にも、なんてことない動機で踏み出した一歩がきっとある。

自己実現が結局は誰かの光になるように、憧れをなぞり書いてみたら、いつのまにか自分だけの絵が完成するかもしれない。

“一人分の幸せ”を見つめて、私は今日もひとりで街に出る。

まずは”一人分の人生を生きる”。
いつか誰かの心を動かすだろう自分だけの絵に、鮮やかな色をつけるためにも。 今を、ただ全力で。

Text／椿

初出：2018.12.04

2018年12月13日（木）に、ラッパー椿さんのトークイベントを開催します
テーマは「私が私をチョイスし続けるための、女の戦い方」。
今のスタイルを手に入れるまでの生き方、Hiphopへの思い、そして恋愛についてなど、様々な角度から椿さんに迫ります！