最後にまたピンチが…!
あんかけ焼きそば! 早く出来てくれ! と願いつつビールをちびちび口に運んでいると、「なになにー、フェスの帰りなの?」なぜわかるのだ!? と思って相手の視線を辿ると、わたしの手首に注がれていた。そこには会場でつけられた出展者用のリストバンドが。そこにはピンクに白抜きの字で「FETIFEST」と記されている。「あー、そうなの!」とにっこり笑って引き千切ぎろうとしたものの、リストバンドって特殊な素材で出来ていて、ハサミを使わないと切れないんですよね。文字を読まれないように袖を伸ばしてカバー。次から次へとトラブルが襲ってくるってなんて日だ!
そうこうしているうちにようやくあんかけ焼きそばが完成。ブラチラに気を付けつつ、背中を見せないようにダウンコートを着直して「今度はゆっくり飲もう!」と別れを告げて店を出た瞬間に、ぐったり。カタギとエロの両方の世界に足を突っ込んで生きることの試練よ……。唯一よかったといえば、あんかけ焼きそばは、そこそこに美味しかったことでしょうか。あんなに四苦八苦したのにまずかったらつらい。
Text/大泉りか
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