女性向けSM店パーティーでお客さん同士の戦いが勃発?意外な展開へ

5月某日。とあるパーティーに呼ばれたわたしがドレスアップして向かったのは、新宿歌舞伎町の端っこにあるバーでした。スナックやバーが多く入った雑居ビルの7階にあるその店は、AV監督兼パフォーマーのTAIZOさんという男性がカウンターの中に立っているお店で、ゆえにアダルトやSM、アングラの現場に出入りしている人たちの御用達となっています。かくいうわたしも、かつて、風俗嬢講師の水嶋かおりんと、元AV男優の太賀麻郎さんと3人でニコ生の番組に出させていただいていたときは、そのバーが配信元のスタジオだったので、毎月通っていたし、そのご縁もあって今でもたまにふらりと立ち寄るお気に入りのお店なのです。TAIZOさん手作りのご飯も美味しいのも魅力。

恐る恐るパーティに参加してみると…

その日、そのバーで何が行われたかというと、友人の芙羽忍さんがオーナーを務める女性向けSM店『Lotus』の5周年パーティーでした。ありがたくお誘いいただいたので駆け付けたわけです。芙羽忍さんという方は非常に多様な肩書を持っていて、元SMの女王様で(今でも個人奴隷はいるらしい)、女性向けSM店に加えて、自立支援のシェアハウスを運営していたり、脱毛サロンまで経営している。マルチな才能の持ち主かつバイタリティー溢れる方で、いつも「身体がいくつあんの?」と疑問に思っているのですが、そんな女性が主催する周年パーティーが普通であるはずはない……いや、マジで普通じゃなかった。

用事があったため、わたしが到着したのはパーティー開始から2時間後くらいでしたが、「いったいどんな感じなのかな」と少々恐々としつつドアを開けたのは、女性用SM店の周年パーティーということは、パーティーに参加しているのはおおよそ、その店の利用者であることを予想していたからです。『Lotus』に所属している男性キャストは3名。ということは、確実に「被り」、いわゆる同じキャストを指名している女性同士が鉢合わせになる

拙書『ホス狂い』の取材中には、「被りに向かってブスと罵った」とか「おしぼりを投げつけた」とか、そういう物騒な話を聞いたもんで、ホストとキャストの違いこそあれど、被り同士が一同に介した場合、どんな雰囲気になるのだろうか、と心配したのも杞憂。店内に入ると皆、なんとも和やかに、ワイワイと楽しんでいる。いくつかに分かれたテーブルに、芙羽さんはもちろん、それぞれキャストや内勤の女性がつき、会話を盛り上げてくれているし、それぞれ参加者は参加者たちで、自分がどんなプレイを好むだとか、SM界隈の情報交換だとかで大変に盛り上がっている。