わたしが性風俗で働き出した理由は「酔っ払っていたから」だった

「効率よく稼げるから」、「自分のペースで働きたいから」、「将来の夢のため」「お金が必要で」……性風俗で働く理由は人それぞれだと思います。わたしが性風俗で働き出した理由は「酔っ払っていたから」でした。

あれは知人の経営するフェティッシュバーで飲んでいたときのことでした。いつものようにべろべろに酔っ払っていたわたしの隣には、顔見知りの男性が座っていた。彼のことをわたしはビッグマグナムとあだ名をつけて呼んでいて、それは「セックス中に『俺のビッグマグナム舐めろや』って言いそう」という完全な言い掛かりが由来になっていたのですが、その男性自身「そんなことないんだけどなぁ」なんて否定しながらもあからさまに嬉しそうでもあった……という余談はさておいて、B・マグナム氏の普段の仕事は、都内の某SM店のスタッフでした。

そしてわたしは、B・マグナム氏がスタッフを務めていた店の内情に興味津々でした。どんな客が来て、どんなプレイをするのか。働いている女の子たちは、どういう子たちなのか。プレイルームはどんななのか。月にいくらくらい稼げるのか。質問からの質問を繰り返しているうちにふと「とりあえず、働いてみればいいんじゃね?」という思い付きが湧いたのです。そこで「えー、ちょっと働かせてよ」と頼んだところにオーケーが出て、翌週に面接を受けることになった。

シラフになって、また考えた

翌朝、すっかり酔いが醒めたところで、「あ、そういえば、SM店の面接に行くって約束したっけ!?」と正気に戻ったわたしには二つの選択肢がありました。B・マグナム氏にやっぱり辞めておくと断りを入れるor約束した日に面接に行く。ちょっとだけ考えて後者を選んだのは、シラフの頭で冷静に考えても「とりあえず、働いてみればいいんじゃね?」という結論に達したからです。

酔っ払って知らない人とセックスをするとか、酔っ払って絡んで喧嘩を売るとか、酔っ払って電車を乗り過ごすとかは多々あるけれど、そこに「酔っ払ってSM店で働くことになった」がひとつ加わるのは、酔っ払いとしての誉ではないか。しかも、「酔っ払わされて、SM店で働くように丸め込まれた」でも「酔っているところを口説かれて、SM店に働くことになった」ではなく「酔っ払って、働かせろと迫った」ところが、わたしとしては、しっくりと来る。