働くにはひとつ問題が…
ただし、副業として性風俗で働くには、ひとつ問題がありました。その当時、嘱託として週5、出版社にデスクを置いて働いていたわたしは、非常に多忙だったことです。始業時間は10時11時と遅かったけれど、終業するのはほぼ夜の終電で、平日はとても働く暇がない。
面接当日。スタッフの女性に、正直にそれを告げたところ、土日だけの出勤でいいし、それも毎週必ず出ないといけないわけではなく、不定期でいいと説明されました。なんとありがたい雇用条件。それならば、迷うことはないと、わたしは目黒にある某SM店に、その日から在籍することとなったのです。
在籍が決まって最初にしたのは、宣材と呼ばれるプロフィール写真を撮ることでした。私服とコスプレ、2種類のバリエーションで撮るということで、「これを着て」と女性スタッフから渡されたのは、アンナミラーズ風の衣装(国内最後の店舗が今年の8月末に閉店するとか。タイムリー!)でした。が、着替えてみたところ「うーん」と首を傾げられフェイスタオルを数枚渡されました。「これをちょっと胸に詰めてみて」というのです。こうして、巨乳を通り越して爆乳となった偽造プロフ写真が誕生。源氏名は自分で“つぐみ”と付けました。もちろん、吉本ばななの「TSUGUMI」からです。もちろん、じゃねーよ!(来週に続く)。
Text/大泉りか
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