尿がクリトリスから出ると思っている日本人女性は○○%
私は中国語が全く読めないのだが、友人が『性之变――21世纪中国人的性生活』という本を要約してくれた、3年前のゼミのレジュメが手元にある。中国は他の先進国に遅れて、21世紀にようやく性革命が起こったようで、その変わりようを統計データを用いて明らかにするというテーマの本らしい。
以下、このレジュメを元に議論するというズルをしているのだが、もしも訳が間違っている場合は、全て引用者の私の責任である。
さて、第5章「性別之性」では「阴蒂」=クリトリスの位置を知っていると答えた人の割合が分析されている。レジュメを読むと、
男性:41.0%(2000年)→45.1%(2006年)
女性:22.4%(2000年)→33.0%(2006年)→32.2%(2010年)
という変化があったようだ。クリトリスの位置を知っている人の割合は、2000年→2006年の上がり幅が、男性よりも女性のほうが大きい。ただし、その上昇は2010年には落ち着いている。
さらに、クリトリスの位置の正解率は分からないとはいえ、少なくとも、知っていると答えている人の割合は、女性よりも男性のほうが多い。
だが、それより驚くべきは、2010年になってもクリトリスの位置を知っている中国人女性が3人に1人しかいないということだろう。
AMに集まる聡明なみなさまは、まさに聡明であるがゆえに、「クリトリスの位置を知っていますか?」という質問をアンケート調査に含めようというアイデアすらそもそも思いつかないに違いない。だがお隣の国では、クリトリスの位置を知らないのは童貞に限らず何ら珍しいことではないのだ。
しかし、「たしかに驚くけど、中国の話だしなあ」と思う人もいるだろう。レジュメを読んだ2014年1月の私も、同じことを思って調べてみたようである。いったい、日本ではどうなのか。
みなさんご存じの花王が、ロリエHPの読者4,016人を対象に調査したところ、尿がクリトリスから出ると思っている日本人女性は16%もいたそうだ。6、7人に1人の割合である。生理用品のHPに来る人の性知識に何らかの偏りがあることを考慮に入れても、これは驚きの数字だろう。
2012年に、女性セブンが100人の20代以上の女性にアンケートをとったところ、「自分の女性器を見たことがありますか?」という質問に37人が「いいえ」と答えたらしい。また、花王が4016人の女性にアンケートしたところ、尿がクリトリスから出ると思っている人が16%。
— Hattori Keisuke (@HAT0406) 2014年1月21日
ただ、3年前の私はクソバカのドアホだったので、情報ソースにリンクを貼っていない。本当に反省している。今探してみても、何故か女性セブンのほうしかサイトは見つからなかったのだが、夢で見た数字とかではないはずなのでどうか信じていただければと思う。
そろそろ、記事もまとめに向かいたいのだけれども、「みなさんクリトリスの位置はしっかり勉強しましょうね、快感を知ることは女性の解放ですからね、自分の性器を知ることは自分を知ることですからね」といった結論にはしたくない。
いや、尿がクリトリスから出ると勘違いしているのは流石にちょっとなと思うのだけれども、もし自分がそんな啓発を受ける立場になったらと想像すると、言いようのない不安を覚えるからだ。
これは別に、「男もクリトリスについてよく知り、クンニの技を磨け」なんて言われたらうるせえなあという意味ではない(クンニはします)。
そうではなく、たとえばもしも性医学者が、肛門や前立腺についてこのように語っていたらどう思うだろう。