億単位の借金を、アダルトグッズで返済

プロジェクトセックス 遠藤遊佐 ラブメルシー 大ヒット商品「フェアリー」

――借金は返済できたんですか。

:時間はかかりましたけど、なんとか。
この業界って今でこそだいぶオープンになってきたけれど、私がアダルトグッズを始めた20年近く前は完全にアンダーグラウンドな隙間産業
正直、女性がバイブ作ってると「そんな仕事してんの?」って蔑まれるようなムードもあったんです。でも、借金抱えてたらそんなこと言ってられないですよね。普通のことをしてたら返せない金額だったので、それこそ休みなく働きましたよ。
あと、周囲の人にはすごく恵まれたと思います。「一生懸命やるなら」って支払いを待ってくれたり、協力してくれる人もたくさんいた。運がよかったんです。

――でも、そういう借金のある状況から出発して、今こうやって秋葉原の目立つ場所に5フロアーもあるお店を出されてるっていうのは、すごいバイタリティだと思います。成功した秘訣って何だと思いますか?

:始めた当初は完全に裏方。大きなメーカーさんの下請けとしてグッズを設計したり工場で商品を作ったりしてたんですが、20年前に問屋業を始め、12年前にお店を出して小売りを始め……と、少しずつ業務を広げてきました。
成功の秘訣と言えるかどうかわからないけど、今、何もないところから設計・開発をして、商品を作って、問屋業をして、お店で販売して……と全部ひっくるめてやっているのはうちだけかもしれません。そのフットワークの軽さは強みだと思いますね。

☆次回は大ヒット商品「フェアリー」「オルガスター」の誕生秘話をうかがいます。

Text/遠藤遊佐