オナニストの黒船「フェアリー」の生みの親!/ラブメルシー高橋社長(1)

セックスやオナニーを思う存分楽しみたい我々にとって、アダルトグッズは気になる存在。
ここ数年で女性向けを謳った商品も徐々に増えてきていますが、それよりずっと前から“女性目線で作られたヒット商品を世に送り出していたメーカーがあるんです。

それが現在秋葉原に5フロアーの店舗を構えるアダルトグッズショップ『ラブメルシー』

バイブ界の革命児“オルガスター”や電マの代名詞“フェアリー”はどのようにして生まれたか。社長の高橋さなえさんに、お話を伺ってきました。

元々は“子供のオモチャ”を作ってました

プロジェクトセックス 遠藤遊佐 ラブメルシー 高橋社長

――実は私、大の電マファンなんですよ。中でもフェアリーはほんとに大好きで、10年前最初に使ったときは「私のオナニー人生に黒船がやってきた!」と思ったくらい。その生みの母にお話が聴けるなんて光栄です!

高橋(以下T):ありがとうございます(笑)。

――そもそも女性である高橋さんが、何故アダルトグッズ業界で働くことになったんですか?

:元々は子供向けの玩具を作ってました。学校を出て百貨店に就職したんですけど、3年くらい働いた頃にオモチャを作ってる人と知り合って「お前、女なのに仕事のやり方は男っぽいな。俺と組んでひと山当てないか」と誘われて一緒に起業したんです。まだ景気も良かった頃なので順調にいって海外輸出なんかもしてたんですけど、そこでつまずいたんですね。倒産した問屋さんのあおりをくって何億円ていう単位の借金を背負ってしまったんです。

――億!? おいくつくらいのときですか。

:30代後半です。本業の玩具でなんとかしようにも、その頃はもう工場はどんどん海外に移転していて、国内の仕事はなくなっていた。前々から「立ちゆかなくなったらアダルトグッズかな」という思いは頭のどこかにあったので、自然にそちらに行きました。
お金がなかったので先輩が住んでいるアパートに電話を1本引いて、飛びこみで問屋さんから商品を仕入れて、通販を始めたんです。そのうちに、徐々に商品開発のほうもするようになってきて。

――同じオモチャといっても、子供向けから大人向けって結構思いきった転身ですよね。

:ずっと子供向け玩具で精密機器的なことをやってきてたでしょう。それに比べるとバイブって電源があってモーターがあって……ってすごくシンプルなつくりなんですよ。これだったら今までのノウハウを生かせばすぐできると思いました。
オモチャの基盤を開発するのはパートナーの男性が担当してくれたので、私はパンツにリモコンバイブをくっつけた“電パン”って商品を考えて、日暮里で生地を買ってきて作ったりしてました。
それが私が手がけたアダルトグッズ第一号ですね。

――穿くだけで調教できちゃう……ナイスアイデア!