セックスが自分のものになるまでたくさん汗が流れた。
今でも緊張するし、恥ずかしいし、罪悪感もあるが、それも全部含めて自分とセックスの関係を受け入れることができるようになった。
セックスを良い悪いというレンズで見ることも減った。
自分の好き嫌いを相手に伝えることにも抵抗を感じることが少なくなった。
HIVやクラミジアを感染症として見れるようになった。
自分や相手のカラダに対するネガティブな感情は好奇心に変わった。
何より、思いやりを忘れずにセックスを楽しめるようになった。
そんな姿勢がセックス・ポジティブと呼ばれていることを後々知った。

「キャシーさんがするセックスの話はいやらしく聞こえないから不思議」

 いつかセックスセミナーの講師を担当したところ、こんな言葉をもらった。
自分ではいやらしいと思っていたのでビックリしたのを覚えている。
もしかしたら、セックスへの向き合い方が変わったことで、言葉遣いにも変化が現れたのかもしれない。
もちろん、これで一件落着というわけではない。
現在進行形で、セックスにどう向き合えばいいのか自分なりに日々悪戦苦闘している。
周りの雑音がうるさくて、白黒ハッキリしたものでもないから、死ぬまで納得できる答えに有り付けないかもしれない。
しかし、それでもいい。
次の目標を目指して、今日も一歩ずつ前に踏み出せばいい。

「変態なセックスが好きで何が悪い!」

 そろそろこの言葉を堂々と言えるようになりたいが、もう少し時間がかかるかもしれない。

Text/キャシー