他者と比べることで発生する女性たちの悩み

 このほかにも、「セックスレス」「性体験がまだない」など、悩みのほとんどは他者と比較することによって発生しているのが分かります。
でも、いったい皆何と比べているのでしょうか?

 この情報社会、ネットや雑誌といったあらゆる媒体で、様々な意見を目にすることでしょう。
そしてネガティブな意見ばかり取り沙汰されて、煽られて、人々は不安になってしまいます。
しかし、その相手の見えない漠然とした「世論」ほど、実態がなく、当てにならないことこの上ありません。
だって、相手が変われば方法論は変わってくるのです。

男と女に、完璧な方程式なんて無いのです。

『女は男に評価されることによって生きる道が変わる』というのは言い過ぎかもしれませんが(あと腹立つ)、「嫁」というシステムがまさにそうで、「選ばれないことは悪」という世間体みたいなものもあります。
女が性を能動的に楽しみづらいのも、実態の見えない「男の目線」が気になるからで…。
自分の欲求が、目的が、いったい何なのか深掘りすることもできず、目に見えない鎖に雁字搦めになっているような気がします…なんだかなあ。
好きな人のために生きたい、好きな人が喜ぶ自分でありたい、そういう気持ちももちろんわかります。
でも、知らぬうちに我慢していることがあるのかもしれません。

 自分がいったい何と比べて不安になっているのか、悩んでいるのか。
具体的なアドバイスを求めるよりも、その根本を深掘りしてみるのも解決の近道かもしれません。

 性のお悩みに通じることですが、性についてのアンケートの結果なども人気があるそうですが、%で自分の立ち位置が大多数か平均なのか、そういう指数を欲しがるのです。
それによって安心するし不安にもなるのでしょう。

 でも、私がいつも思うのは、多数決にとらわれないで、「こんなに違う意見があるんだ!」って前向きにとらえてほしいなあということ。
「男が好きな下着」とか、黒が好きな人も白が好きな人がいる。それでいいんです。

 だからこそ、「その他」にひとくくりにまとめられてしまっている意見こそ、クローズアップしてほしいなあ、なんて。
情報ばかり集めてあたまでっかちになるよりも、世論に振り回されることなく、今目の前にいる相手のことを、もっと深く知ることが、解決の近道だと思うのです。

Text/牧野江里

Twitter、FacebookでAMのこぼれ話をチェック!

読者アンケート

AMではより楽しく役に立つサイトを目指すため、読者アンケートを実施しております。
本アンケートにご協力お願いします。
アンケートはこちら