嫉妬の源泉≒期待

嫉妬をする原因は、相手に期待をするからです。相手に期待をしなければ嫉妬という感情は起こりません。嫉妬≒(ニアリーイコール)自らの期待です。「期待」という言葉はポジティブワードのように聞こえますが、私は苦手な言葉です。なぜなら「期待」とは相手に自分の思い通りにして欲しいという命令や欲望の言葉でもあるからです。

私は昔から末っ子長男でしたし、優等生だったので、沢山「期待」をされて生きてきました。高校生くらいまではまずまずその期待に応えてきました。でも、自らのセクシャリティ(ゲイ)が周囲の期待と違うことに気が付き、そこからはその期待を重荷に感じたり、放り投げたりした過去があります。大人になってからは、安易に期待をしてくる人たちに「私に期待をかけるあなたはその資格がある人ですか?」と心の中で問い返すようにしました。そうすると無責任な期待やどうでも良い期待はだいたい無視できるようになりました。

今は精神的に逞しくなって、自分のやりたいことと合致する期待のみ受け付けるという習慣ができたので、だいぶ楽になりました。だから私は自分がされて辛かったので、他人に対してあまり期待をかけません。人が活躍していても、活躍の裏にあった努力を思うと自然と頭が下がりますし、自分は自分のやり方でやっていくんだということを思うようになってからは妬みもあまり持たなくなりました。もう妬んでいる時間が無いんです。歳をとったら自分のやりたいことをやらないと、身体がいつまで元気かわからないんです。

時間は有限である

あなたは若いので時間が無限にあると感じるのかもしれませんが、そろそろいい年齢になってくるので、何か自分が死ぬまでやり続けたいことを作って、それに打ち込むと良いかもしれませんね。あなたの場合、症状が重くなってしまったので、今すぐには考えられないかもしれませんが、打ち込むことがあると嫉妬をしている時間が惜しくなります。

私の場合、それは仕事でした。昔から恋愛や家庭にあまり重きを置いて生きてこなかったというのもあります。一歩引いているから、恋愛について客観的に相談にのれるのだと思っています。

私はこの世に生まれた限り、沢山のことを知って、もっと賢くなって、もっと好きな自分になって、次に生まれて来る時に少しでも前進した形で始めたいと思っています。私のこの価値観を押し付けるつもりはありませんが、みんながもう少し自分のことに集中出来たら良いのになとは思っています。だって他人を変えることはできないけど、自分は変えられることができて、自分が変わると世界が変わるんですよ。

きっといつかあなたの世界も変わりますよ。まずはクリニックを受診して、薬を飲んで、精神を落ち着けて自分と向きあってください。

TEXT/肉乃小路ニクヨ

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