リアルよりネットの方が

本田翼1st-Last写真本 ほんだらけ 本田本

「ジェンダー?何それ美味しいの?」みたいなタイプじゃなく、バリバリに仕事ができて男女平等意識の高そうなタイプがFacebookに「主人」と書いていると、周囲にどよめきが起こる。

「主人とか書く子だったんだ…人ってわからないものだねえ」と。

 逆に「リアルよりネットの方がよくわかる」という話かもしれない。

 私が結婚した12年前はFacebookもツイッターもインスタもなかったが、SNSの普及によって、リアルの知り合いの知らなかった部分があらわになるようになった。

 夫を主人と書く女子がFacebookに娘のバイオリンの発表会、高級ホテルでリゾート、やたら巨大なクリスマスツリー、やたら原価の高そうなおせち…とセレブ風味の写真をじゃんじゃんアップしていて「VERY妻に憧れるタイプだったのか~」と初めて知ったりとか。

 まあ多少はびっくりするけど、それで関係が変わったりはしない。ただ私は母がVERY妻をこじらせて死んだので「どうか幸せに長生きしてくださいよ…」と手を合わせる。

 知らなかった部分があらわになると言えば、Facebookでつながってる女子が「憲法9条改正、賛成!自国の防衛は自国で担うべきです」みたいなコメントをしていて「右の翼を持つ人だったのか…!」とびっくりした。

 自由の翼でもキャプ翼でも人は好きな翼を持てばいいが、私は「リベラル生まれ女子校育ち、リベラルな女子は大体友達」みたいな環境で生きてきたので、予想外だったのだ。

 そこで夫に「○○ちゃんの前でもう政治の話できないわ~」と言うと「いや、どんどん話すべきだ、それが民主主義というものだ」と返されて「左様でござるな」と思った。

夫「せっかくだから、2人でクイズ対決でもすればいい」

アル「何それ?『右と左、どっちもどっち』みたいなクイズ?」

 こういう会話を交わす我が家は平和だと思う。むしろ彼女と「両翼コンビ」みたいなチーム名でクイズ大会に出てみようか。鳥人間コンテストでもいいかもしれない。

 どんな翼を持とうが、女同士は助け合える。女が自由に空を飛べる世界を作っていける。

 傷ついて翼が折れたら、手をつないでオナラで空を飛べばいい。

 だからみんな、どんどん屁をぶっ放していこうぜ!!

 世界中の全ての女性にそうエールを送りたい、オナラ田ポンチなのであった。

※2017年12月26日に「TOFUFU」で掲載しました。

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