再婚JJの星といえば、川崎貴子さんがいらっしゃる。川崎さんは二村ヒトシ監督との対談で、次のように語っている。

　なんとすばらしいご夫君か。私も酔ってメイクを落とさずに寝て、翌朝、目の周りが真っ黒で「変身のとけたタヌキみたい」と夫に言われる。
夫は生まれて一度も顔を洗ったことがないので、おそらく「メイクを落とす」という概念がない。

　川崎さんは女子力の高いご夫君と再婚して、幸せな家庭を再構築した。著書『愛は技術』には「何度失敗しても女は幸せになれる」というサブタイトルがついているが、「失敗したからこそ、幸せになれる」のかもしれない。

　芸能人でいうと、広末涼子は幸せな再婚をしたイメージがある。
キャンドルジュンさんのことはよく知らないし、関西のJJはレッツゴーじゅんと混同しがちだが、あの人は良き夫なのではないか。

　以前、トーク番組で広末涼子が「家事をする夫に『ありがとう』と言うと『お礼は言わなくていいよ。お礼言うなんて特別なことしたみたいじゃない』と言われる」と話していた。

　それを聞いて「レッツゴー…じゃなくてキャンドルジュンさん、ええやないの」と感心した。こんなこと自然に言える男性はなかなかいない。

　勝手な想像だが、キャンドルさんは3人の子どもにとっても良きパパなんじゃないか。そして、広末涼子は一度目の結婚ではキャンドルさんを選ばなかったんじゃないか。耳に角みたいなんが刺さってるし。

　耳に角みたいなんが刺さってる男性に出会ったら「やめとこ」とスルーする女性が多いだろう。広末涼子は過去の離婚から学んで、「キンタマ発見！！」と眉間からイナズマが出たのかもしれない。キンタマとは金の卵の略である。

　まあこれも私の勝手な想像で、耳に角みたいなんが刺さってる男性がどちゃシコで好みだったのかもしれないが。

　私もどちゃシコで好みのTさんにハマらなければ、夫と結婚していなかったかもしれない。彼と別れた後、私はサウザーばりに「ときめきなどいらぬ！！」と慟哭した。
だから1ミリもときめかない夫と結婚して、ときめき補正がかからないぶん、ありのままの相手を見られたのだろう。

　一緒にいてドキドキしないのは、リラックスして素でいられるということだ。幸せな結婚をした女子が共通して言うのが「一緒にいて楽」「無理しなくていい」という言葉だ。
それが「自分を削らなくていい、おせんべいの片割れ」なのだと思う。

　私は過去の恋愛で疲弊しきって「もう疲れたよ、パトラッシュ。がんばるとかマジで無理」と虫の息だった。かつ、毒親育ちゆえに見捨てられ不安が強く、メンがヘラりがちな、面倒くさい女だった。

「こんなダメな自分を変えないと幸せになれない」と思っていたが、夫は「いろいろ大変なことがあったんだから、不安定になって当然だろう。そのままでいいんじゃないか」と言ってくれた。
「それでいいのだ」と全肯定されたことで、私も自分を肯定できて、メンが安定したのだ。

　そんなわけで、Tさんに感謝はしてないが、昆虫ギフトセットぐらいは贈るべきかもしれない。

　今だから言える話だが、ぽしゃった映画のアルテイシア役は長谷川京子が候補だった。脚本も読ませてもらったが、そこにはアニマルパニックのシーンもあった。
ハセキョーが草むらでカマキリの卵を採取して、トヨエツがカマキリに襲われる姿を観たかったな…と今もふと思う。
もの好きな映画会社があったら、映画化してほしい。原作使用料は1000円でいいです。

Text／アルテイシア

　過去10年間に執筆したエロコラムが詰まった『アルテイシアの夜の女子会』が2018年2月7日に発売。表紙はTOFUFUでも連載してくださっているカレー沢薫さんのイラスト。BL研究家・金田淳子さん、妖怪作家・ぱぷりこさんとの対談も収録。

　入手困難となっていたアルテイシアさんのデビュー作が待ちに待った電子書籍化！
本連載でおなじみの59番さんとの出会いが綴られています。

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