命さえあれば、恋愛だってどうとでもなる!/ものすごい愛の恋愛相談

「命に過ぎたる愛なし」はじまります

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恋に悩める子羊ことAM読者の皆さま、ごきげんよう。
わたくし、「ものすごい愛」と申します。

つい最近まで東証一部上場とは名ばかりのブラック企業で、毎日のように理不尽な上司とバッチバチに戦い、己の無力さに奥歯が粉々に砕けるほど歯を食い縛りながらも遮二無二働く社畜として生活をしておりましたが、「こんなクソ会社辞めたるわ!!!」「辞めたあとのことは辞めてから考える!!!」と同僚たちに啖呵を切り、このたび退職しました。

今のところ決めているのは、車の免許を取りに行くことと、カポエイラ教室に通って強くなること。
だが、このままでは容易く身分を証明できるケンカが強い女になってしまう。
「お前みたいなゴリラが仕事をやめたら、充満した生のエネルギーが爆発してマンションが吹き飛ぶだろ」という友人の予想が当たるのも時間の問題である。
そんなマンションを吹き飛ばすほどの生のエネルギーを蓄積している中、ある一通のメールが届いた。

「AMで恋愛のコラムを書きませんか?」
「えっゴリラがそんなん書いていいんすか?!」
とあっさり引き受けてしまったものの、わたしに恋愛コラムを書けるような引き出しなどない。
なにを隠そう、「付き合う?」「付き合う!」「オッケー!」で交際が始まり、「そういえばプロポーズされてないよ!」「結婚して!」「オッケー!」で入籍に至ったようなわたしである。
恋愛のイロハなんぞ、どうして語れるというのだ。

とは言うものの、わたしはかれこれ8年ほど日常の備忘録としてTwitterをやっている。
日々の明るく楽しい出来事をただ呟くだけの、毒にも薬にもならない人畜無害の完全自己満足型アカウント。
にも関わらず、“継続は力なり”とはまさにこのことで、気づけば不思議とフォロワーもそこそこの人数になり、それに伴って多いときで週に1~2通は知らない人から恋愛相談のDMが送られてくるのだ。

そのたびにいつも同じことを思うのだが、なんでみんなそんなに悩んでるの??! それとね、わたし恋愛相談のDMなんて募集したことないんだけど?!?

今まで恋愛で失敗したことがないから悩んだことがないんでしょ? だからそんなポジティブでいられるんでしょ? なんて思われるかもしれないが、とんでもない!

恋愛なんてな、失敗の連続なんだよ!!!

好きになった男性に何十回と告白して「ほんとうに無理だから…もう勘弁してよ…」とウンザリした表情で拒絶され、帰りのタクシーで大泣きして運転手のおじさんを困らせたこともある。
結婚の約束をしていた彼氏とある日突然連絡が取れなくなり、合鍵をつかって彼の家に入ったら全く知らない人が住んでいて、そのとき初めて彼が蒸発していたことがわかったこともある。

失敗に失敗を重ね、そのたびにわたしは仰向けになり大声を上げて泣いた。
でも、真正面からぶつかってきたからこそ、家族や友達に「わたくし失敗してしまいました!!!」と堂々と言ってこられたのだ。 こうしてわたしは現在結婚している身となったわけだが、これまでそうしてきたように、これからも一切駆け引きせず、いつでも正々堂々と接し、夫を真正面から愛し続けようと思っている。
それでも人生はなにが起こるかわからないものなので、これから先どうしてもどうしてもだめになってしまったときは、「正々堂々やってみたけどだめでした!!!」と胸を張って言うつもりだ。
総じて人というものは、正々堂々真正面から戦ってきた人間を、非難できるわけがないのだから。