甘えられる相手だからこそ、感謝を忘れずに

さて、それでは本題に入りましょう。
相談文を読んでみると、あなたは彼氏に“だけ”イライラし、他の人と同じような接し方ができず、その理由がわからず戸惑っているようです。
それはね、あなたが彼に甘えているからだと思います。
ただ、甘えている事実を否定しているわけでも、だからあなたが悪いんだと決めつけているわけでもないので、早とちりしないでくださいね。

あなたと全く同じ状況ではありませんが、わたしも日々夫に甘えちゃっているなぁと思うのです。
外でつらい目に遭ったとき、腹が立つ出来事があったとき、人前ではグッと飲み込んで耐えたり、上手く躱したり、それなりに対外的なコミュニケーションを取ろうと、半ば無意識ですが理性的な自分を装えます。
でも、家に帰って夫を目の前にしたら、わんわん声を上げて大きく泣いちゃったり、床に転がって癇癪を起したり、オギャオギャとバブついたりしています。
言語能力が低下し、感情のコントロールが効かなくなってしまうせいで、自分の気持ちすら上手に言葉で説明できなくなったりもします。

なんとなく、夫の前では、体の力が抜けて、かっこつけていないありのままの自分に戻ってしまうんですよね。

あなたと同じように、外で誰かに同じことを言われたらきちんと対応できるのに、夫が相手では途端に下手くそになる。
それは、わたしが夫に甘えているからなんです。
わたしが周囲の人たちにイメージされているような人間ではなくなった瞬間があったとしても、夫はそれすらもわたし自身だと受け入れてくれるという安心感から、甘えがでるのだと思います。

そういう、かっこつけなくてもいい、プリミティブな自分に戻ってもいい瞬間をつくってくれる存在というのは、ほんとうにありがたいもの。
きっと、彼はあなたにとってそういう存在なのではないでしょうか。
ただ、だからといってそれを当たり前に思ってしまってはいけません。
そんな状況は、相手のやさしさと思いやりのうえに成り立っているのですから、感謝の気持ちを忘れないようにしましょうね。

「生きていたらそういう時期はある」

あなたは今、とっても余裕がないんですよね。
誰にだってそういう時期はありますから、あまり自分を責めないでほしいと思います。
きっと、体力的にも気持ち的にも余裕がある状況だったら、彼の一挙一動にイライラしたり、刺々しい言葉をつかったり、泣いたり怒ったり感情的にならないはずです。
なにもかもが気に食わないときって、誰にだって絶対にあるんですよ。
もちろん、わたしにもあります。

夫はいつもと変わらずやさしいのに、「なんにもわかってないくせに!」とか「わたしが求めているのはそういうんじゃない!」とか「うるさい!もうほっといて!」とか「うわーーーーーーーん!!!!!」とか……いやはや、我ながらなんてワガママで面倒くさい女なんだ!と、今は冷静に省みれるんですけどね。
できるだけご機嫌に過ごしたい、自分の機嫌は自分で取っていきたい、と思っていても、人間生きていたら浮き沈みの波がありますから、どうにもこうにもダメダメな自分になる瞬間があるのは当然なんです。
「生きていたらそういう時期はある」と心に留めておくことは、ひとつの安心材料になるのではないでしょうか。