自分ひとりで戦って耐えるために

では、“そういう時期”はどうしたらいいか。
わたしは、全て夫に話しています。
「疲れてる」「余裕がなくて」といったざっくりとした説明ではなく、「あなたの気持ちはうれしいだけど、今それをまっすぐ受け止めるほどの余裕がない」「これはあなたが悪いわけじゃなくてわたし自身のキャパシティの問題」「誰にも気を遣えないくらい切羽詰まってる」など、かなり詳細に。
そして、「だからちょっとそっとしておいてほしい、余裕ができたらこちらから言います」と、相手にどうしてほしいかまで。

相手に対して申し訳ない気持ちだけを先行させず、今の自分はこういう状況だからとりあえず甘えさせてくれ!と伝えることは、お互いにとって最良だと思います。

そして、今のような状況で、自分に枷を与えることはやめましょう。
「一日1回はLINEする」というルールは一見些細な行動のようでも、ほんとうに余裕がないときはかなりのしんどさを伴うと思います。
「絶対にしなくちゃ」というプレッシャーになり、「一日たった1回だけなのに、それすらも機嫌よくできないなんて……」と自分自身を責めてしまうことに繋がりかねません。
だから、「実習中はちょっと連絡を控えたい、連絡がくるとそれはそれでプレッシャーになるから、ちょっとそっとしておいてほしい」「あなたが頼りにならないとか、あなたでは癒しにならないとかそういうのではなくて、わたしのキャパシティの問題だから勝手なこと言ってごめんね」「わたしのほうから連絡するからとりあえずしばらくそっとしておいて」といった風に。
案外、そのプレッシャーがひとつなくなるだけで、少し時間をおけば気持ちが楽になって気軽に連絡できるようになるかもしれませんし、状況は好転するのではないでしょうか。
今のあなたは、彼の存在を大事にしようとするがあまり、自分にルールを課して悪循環に陥っているのだと思います。

その悪循環に陥りまくった結果、「彼に申し訳ないから別れる」という答えが出たのではないでしょうか。
わたしが彼の立場だったら、とてもかなしいです。
相談文を読む限り、彼はとてもやさしく、あなたのことが大好きで支えようと思ってくれているのだと感じました。
だから、あなたがきちんと言葉を尽くせば、受け止めてくれるはず。
別れを選択する前に、「彼のせいではない、自分が戦って耐えるべき時期だ」という前提で、彼に待っててもらってもいいと思います。

人間、たとえ恋人がいようが、結婚していようが、自分ひとりで戦って耐えるべき時期があります。
そのときに、余裕のなさから「もう無理!」と大事な人を切って物理的に孤軍奮闘の状況をつくるのではなく、「頑張っている自分を見守っててほしい」という気持ちで、彼には後ろからの応援をお願いしてもいいのではないでしょうか。
直接的でなくとも、それは彼に支えてもらったことにつながるのだと思います。
あとから振り返ったときに、「“そういう時期”もあったよね」「あのときはお互い頑張ったよね」と懐かしく思えるための行動をしていくのが、今のあなたたちにとって最善の選択ではないでしょうか。

つらくて大変な実習はこれからも続くと思いますが、体に気をつけて頑張ってくださいね。
わたしは実習中、休みの日にだけネイルをしてリフレッシュをしていました。
がむしゃらに頑張ることが必要とされる時期かもしれませんが。ほんのちょっとの自分のご機嫌取りも忘れずに。
立派な看護師さんになれるよう、心から応援しております。

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この連載では引き続き読者の皆さまからの恋愛相談を募集します。
最後の一歩が踏み出せない方の背中をドーン!と押すため、今にも崖から落ちそうになっている人を腕一本で引き上げるため、誰かに厳しく叱られたい方の左頬をフルスイングで打つため、わたくしポジティブゴリラは日々ゴリラらしく腕力を鍛えてお待ちしております。

Text/ものすごい愛
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読むとどうしても幸せになってしまう。“ものすごい愛” にまみれたサイコーにハッピーな日常エッセイ!