美人が不幸な恋愛をする理由

 理由は1つではないだろうが、私はやはり「モテるから」ではないかと思う。実際私の周りの美人というのは、学校で先輩や他クラスの男子たちがわざわざその子を見るために教室まで押し掛けてくるという。また、ネットの女の子たちがこぞってその子の服装や持ち物を真似するなど、漫画みたいな経験をしたことのある美人ばかりだ。

 でも、ある程度チヤホヤされていると途中で思い通りにならない男が現れた時にやきもきさせられるのだと思う。それが何故か総じてクズ男なのだ。クズな男ってどうしてもかっこよく見えてしまうのかな…。そして自分に振り向くはずのない相手に特別扱いされたいと思う気持ちや、男に冷たくされて思い通りにならないもどかしさを恋だと勘違いするのではないだろうか。

 しかもそういう恋愛ばかりしていると当然大切にされている実感もないので、自分にどんどん自信が無くなり、自分を愛してくれる男が現れても卑屈になって追い払ってしまったりする。そして、振り向いてくれない人にどんどん依存してしまうので、完全なる沼、負のループである。

 その一方で、ただ不幸な恋愛に酔ってる美人もいる。本気で悩んでいるつもりだが本人が気付いていないだけで「可哀想な自分が好き」というタイプはかなり多いように思う。私は時間の無駄になるだけの恋愛や、後から振り返ったときに何も残らない恋愛には価値が無いと思っているので「その人やめたら?」と言うものの、それを素直に聞き入れた人など今までに1人だっていないし私もそれを分かっているので1度しか言わない。

欲望が満たされることはない

 でも本人がその人とその瞬間を楽しく過ごせているならそれはそれで良いし、恋をするのは良いことだとも思うので、検討を祈ると言う他ない。でもそういう女は仮に「この人と一緒になりたい!」とその時は真剣に思っていたとしてもその人との穏便な愛を手に入れたらやっぱり3日で飽きてしまうだろう。欲望は満たされることを望まないと言うし…。クズ男に求めるものってやっぱり「刺激」なのかな。

 まあブスはそんな余裕ぶったこと言ってられないので、不幸な恋愛が楽しめるのってある意味美人の特権なのかもしれないな。悲劇のヒロインは美人が似合う。

Text/戦慄かなの

次回は<毒親に育てられた子の心が晴れることは一生ないのだろうか>です。
手をつないでおうちに帰ったり、誕生日を祝ってもらったり。毒親によってそんな「幸せな」子ども時代を奪われた人は、ずっと苦しみから抜け出すことが出来ないのでしょうか。