あなたの立場は「CHICAGO」というミュージカルに出てくる
ロキシー・ハートというキャラクターと驚くほど似ています。
エンターテイメント作品なので、誇張はされていますが、
真面目だけどつまらない亭主だけでは物足りなく、
家に来た男っぽい家具屋と浮気するというキャラクターです。
挙句に家具屋の男を撃ち殺します。

「CHICAGO」は恋愛感情のみならず、
虚栄心や耳目を集めたいエンターテイナーの悲哀や
次から次へと物語を欲しがるマスコミや社会に対する風刺もある良作です。
観ていないなら是非一度、もし観ているならもう一度見直してみてください。
あなたの状況を客観視して考えることができるかもしれません。

また「CHICAGO」に限らずとも世の中に不倫や二股を描くエンタメ作品は山のようにあります。
今のあなたはその登場人物に深く共感できるかもしれません。
不倫や二股が出てくる作品を観まくって、読みまくってください。
恋愛が終わったとしてもそこから得られた考察は深く心に刻まれて
あなたの人生の肥やしになるでしょう。

　「CHICAGO」というミュージカルの中の『Nowadays』という
美しい曲があります。その中の歌詞に
“But nothing stays.”
という部分があります。
これはすごく素晴らしいことや素敵なことがあっても
結局は何も残らないということを歌っています。

　これを歌詞の字面通りに受け取ると
結局何も残らない、人生なんて虚しいものだと解釈してしまうかもしれません。
でも、それを歌っている女達の懲りない表情や
その後の『Hot honey rag』という曲のダンスシーンを観ていると
私はただの虚無感だけの意味ではないと思いました。

私の解釈で、野暮な解説をすると
何も残らない、だけど私は踊る、動く。
だって何も残らないならば、何も失わないじゃない。
「Nothing loses.」というメッセージを私は勝手に受け取りました。
映画版だとエンドロールで『I move on』という歌が流れるので、
そこにもその意図があると思います。

　何があってもあなたの人生に失うものはないと思って
思う通りにやってみてください。
二股は世間一般には良くないとされるものですが
誰かを陥れようとしているのではありません。
ただ、タイプが違う人を同時に好きになっただけです。
あなたがベストを尽くして真摯に動き続けるならば、
あなたの答えが自ずと出てくるのではないかと思います。

Text／肉乃小路ニクヨ