「きちんと喜ぶ」も大切なコミュニケーション
人を喜ばせることを考えがちだけれど、きちんと喜んでみせることだって、同じくらい大切なコミュニケーションだ。
「あなたは私をこんなに喜ばせられる人なんですよ」を態度で伝えることは、時に褒め言葉の何倍も、相手の自己肯定感を高める。喜ばれると嬉しいし、相手が誰であれ可愛いと思う。
「オーバーリアクションで喜ぼう!」というのはモテテクの基本であるらしい。でも、わざとらしいとうざったい。リアクションは大きいが、心から喜んでいるのが見ていてわかるCちゃんには、喜ぶ才能があると思った。才能をもたない我々は、何かをしてもらった時にまず頭に浮かんでしまう「でも」とか「申し訳ないな」を一時無理矢理にでもぶん投げて、素直な嬉しい気持ちだけを、熱量そのままにまっすぐ伝えるくらいでいいのかもしれない。
男友達が彼女に贈った指輪を1ヶ月経たずに失くされていたけど、「本当にごめんね。すごくお気に入りだったし、自分で買い直そうと思うの。そこでお願いがあって…。次会う時までつけずにいるから、彼くんに指にはめてほしい」とうるうるされて、デレッデレで同じ品を買い与えたそうな めでたしめでたし
— 白井瑶(しらいよう) (@shiraiyo_) 2017年8月7日
このツイートの「男友達」はAくんで、「彼女」はCちゃんだ。この時も「気持ちよくお金を使わせる才能があるな」と(嫌味ではなく、純粋に)思ったが、直接彼女に会った今は、その光景が目に浮かぶようだ。きちんと謝罪をした後は、何度も指輪を眺めては、にこにこ「嬉しい」を伝えたんじゃないかな、と思う。
前回のコラムで「『チャラいヒーローがヒロインに出会って変わる』なんて展開はそうそうない』」なんて書いてアレだが、Cちゃんは間違いなくヒロインの器だと感じた。
次に生まれ変わる時には、この記事に書いたようなことを一切考えず、素直に「わーい」ができる女になりたい。
Text/白井瑶
初出:2018.05.24
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