どうしてチャラい男が好きなのか?フラペチーノ的な男に恋するということ

どうして危険な男に惹かれてしまうの?

チャラい男からの返信を待つ女性のイメージ画像 rawpixel.com

「女を大事にしたって飽きられるだけなんです。結局、チャラいイケメンが好きなんですよ」。

ある後輩が酒の席でそう零していたのは、もう何年も前の話だ。
さんざん尽くした彼女にフラれたらしい。その場にいた女性陣で「そんなことないよ」となだめてみても、彼の飲むペースは上がっていく一方だった。

彼の言う“チャラいイケメン”には、実はわたしも面識があった。たしかに容姿もよく、会話の上手い男性だった。その上「彼が本気になったのは私だけ」「彼が今まで遊んできた女の子と、私は違う」なんてことを相手に思わせるのが上手で、女の子たちはズブズブにハマる。「私だけ」「私は違う」と信じた女の子たちの屍の上で、涼しい顔して髪をかきあげているような人だった。

「チャラいイケメンと、誠実で容姿は普通の男性。あなたはどちらを選びますか」と聞かれたら、半分以上の女性は後者をとるのではないかと思う。
けれど、冒頭の後輩が言うとおり、自分を大事にしてくれない男性に惹かれてしまうのは珍しくないことなのである。

砂漠と私とフラペチーノ

極端な例え話をする。

水を求めて砂漠を彷徨っている女が、ある人の家に迎えられ、じゅうぶんな水と食事を与えられたとする。しばらく何不自由ない生活が続いたある日、快適なソファの上でインスタを見ながら思うのである。「スタバの新作フラペチーノ、飲みてぇ~」と。
ちょうどその時、ひとりの男と窓越しに目があう。手招きをする男の手には、スタバのロゴ入り紙袋。

またある女は、水を求めて彷徨うさなかにスタバ男と出会ってしまう。手渡されたフラペチーノを一気に飲み干す。超冷たくて超美味しくて、カロリーが高くて満たされる。それからは水を差し出されても、味気なく感じて満足できない。女はスタバのロゴを追い求める。

……何が言いたいかと言うと、チャラくて遊び慣れている男性というのは、フラペチーノ的存在なのである。フラペチーノは健康的ではないけれど、写真映えする美味しいスウィーツ。チャラい男は大事にはしてくれないけれど、お洒落なデートや口説き文句でときめきを与えてくれる存在。
フラペチーノを飲めば太ると分かっている。それでも飲む。美味しいから。
チャラ男を選ぶなら傷つくことは覚悟の上。それでも手を取る。魅力的だから。……そして、どこかで少しだけ、「彼が変わってくれるのでは」と期待している。