運命の人に出会おうとすれば「失敗できない」

しかし時代は変わり「自分で運命の人を探しなさい」と年頃の男女が恋愛マーケットへ放り出されることとなりました。

この「運命の人」というのはまた厄介な言葉です。あたかも世界に唯一無二の人がいて、愛し合えるかのように見えてしまうからです。
だとしたら「この人こそ、世界にただ1人のマイ・ダーリン!」と信じられるまで、恋愛砂漠をさ迷うしかありませんよね。
しかももし運命の相手に出会えた! と思ってしまったが最後、その相手とは失敗できません。
なにせ「運命の人」には代わりがいないからです。

結婚で失敗できないと思うと、自分へも「結婚する資格」を求めてしまいます。
結婚するなら料理くらいできなくちゃ、子供を○○歳で産まなくちゃ、きれいなママにならなくちゃ……。張り詰めた人生設計に、胸がパンクしそうです。

そして相手へも同じ負荷を求めてしまいます。
あなたが私の「運命の人」なら東京出身だよね、趣味を押し付けてきたりしないよね、家事育児は率先して手伝ってくれるよね……と、結婚まで至るハードルをガン上げしてしまいます。

でも私たちって、月の光に導かれて何度もめぐり合うプリンセスじゃない。

残念な事実は、負担を軽くする

残念な事実ですが、人は何度でも誰かを愛することができます。

彼しかいない、あなたしかいないなんてありえません。
この現実は、あなたの結婚にかかる負荷を軽くします。

もし何度でも誰かを愛して幸せになれるのなら、今は目の前にいた大勢の男性の中で「ちょっといいかも」という男性と付き合ってみればいいのです。結婚しても3分の1は離婚しているのに「運命の人」へしがみつくのはナンセンス。
私たちは何度でも幸せになれる。
だから、失敗しなくていい「完璧な男性」を求めることもないし、「完璧な結婚相手としての自分」を求めて苦しむ必要もありません。

月のプリンセスの座を譲り「運命の人」探しをやめるだけで、結婚のハードルがあなたにも、彼にとっても手が届くものとなるはず。
運命から解き放たれて、自由になりましょ。

★次回は「すぐ相談できてしまう」ネットの闇? 自己決定を迫られる現代の恋愛ストレスに迫ります。

Text/トイアンナ

初出:2016.04.07