婚約解消でようやく気づいた。何があっても親はわたしの味方だということ

同棲解消でしかたなく帰った実家

花束を持つ娘を抱きしめる母親の画像 Caitlin Regan

 わたしの実家は練馬区の端っこにあります。最寄り駅からはバスで15分とやや離れているものの、電車に乗ってしまえばわずか20分で池袋まで出ることが出来ます。
そんな気軽に帰れる距離にもかかわらず、大学を卒業してすぐに実家を出て以来、年に1度か2度帰ればいいほうでした。というのも、「きちんと就職しなさい」「30歳までには結婚をしなさい」と、会うたびに「普通」や「常識」を盾にプレッシャーをかけられるのが嫌で、極力避けていたからです。

 ところが、先週書いたとおり、わたしは同棲していた家を恋人に追い出されてしまいました。
ホテルに泊まり続けるのも限度があるし、居候を頼めるほどの友人もいない。セフレは一人暮らしでしたが、彼には彼の私生活があることを考えると、住まわせてくれないかと頼むのは、さすがに気が引ける。仕方なく「ちょっと揉めて家を出てきたので、しばらく住まわせてくれないか」と実家の父と母に頭を下げたのは、8月の終わりのことでした。

 結婚式を挙げて、わずか2か月も経たずに家出をしてきたことを、ぶつぶつと相当責められるだろうと覚悟していましたが、父も母も何も言わずに受け入れてくれました。「家を出てからこれまで一度だって頼ってこなかったあなたが、ようやく頼ってきたのだから相当のことなのよね」と言われて、親のありがたみというものをしみじみと感じたのでした。

 家を出て数日後、恋人の友人から、これからのこと、主に金銭面について話し合うために、三者で会う場を設定したいと連絡がありました。
家のことはすべてわたしが取り仕切っていたので、恋人は家賃の振り込み先すら知りません。不動産屋なりに尋ねればわかることだけれども、恋人がそういう面倒なことを、放置する性格だとわかっていたし、最悪なことに、物件の保証人はうちの父親でした。だから、延滞されて困るのは、結局わたしです。
おまけに、一人暮らしの時から飼っていた犬も連れ帰れていません。けれども親権はわたしにあることをはっきりさせておきたかった。だから会うことを決めました。